CINNO Researchによると、2023年上半期の中国でのオプトエレクトロニクス・ディスプレイ産業の投資額は前年比23%減少


2023/08/15  CINNOリサーチ

 

CINNO Researchの統計データによれば、2023年上半期、中国(台湾を含む)のオプトエレクトロニクス・ディスプレイ産業への投資額は約1830億元で、前年比で23%減少しました。

 

オプトエレクトロニクス・ディスプレイ産業は、ディスプレイパネル、ディスプレイモジュール、ディスプレイ材料と装置、Mini/Micro LED(MLED)などのカテゴリーが含まれます。オプトエレクトロニクス・ディスプレイ産業は、いくつかの技術開発と生産能力の地域的なシフトを経て、近年に新たな投資は主に中国本土に集中しています。

 

産業の成熟度の向上と生産能力の飽和、および2022年のオプトエレクトロニクス・ディスプレイ産業の下降周期の影響を合わせて、2023年の中国のオプトエレクトロニクス・ディスプレイ産業への投資額は減少傾向にあります。CINNO Researchの統計データによれば、2023年上半期、中国(台湾を含む)の投資額は約1830億元で、前年比で約23%減少しました。

 

オプトエレクトロニクス・ディスプレイ産業内の投資の内訳:

 

2023年1〜6月、中国(台湾を含む)の投資資金は、主にディスプレイパネルとMini/Micro LED(MLED)領域に流れています。そのうち、パネルへの投資額は約896億元で、全体の約48.9%を占めます。MLEDへの投資額は約380億元で、約20.7%を占めます。モジュールへの投資総額は約256億元で、約14.0%を占めます。光学フィルムへの投資総額は約170億元で、約9.3%を占めます。その他の材料への投資総額は約108億元で、約6%に近づきます。現時点で中国のMLEDプロジェクトへの投資が依然として盛んであることがわかります。材料部門では、光学フィルムへの投資が引き続き主導的な役割を果たしています。

 

図:2023年1月から6月の中国のオプトエレクトロニクス・ディスプレイ産業投資プロジェクトの分布状況、出典: CINNO Research

 

 

産業プロジェクトへの投資資金の地域分布:

 

2023年1月から6月の中国(台湾を含む)のオプトエレクトロニクス・ディスプレイプロジェクトへの投資資金の分布は、主に河南、台湾、湖北の3つの地域が中心で、これらの地域の合計比率は約55.4%です。具体的には、河南地域の投資総額は約600億元で、全体の約32.7%を占めます。台湾地域の投資総額は約226億元で、約12.3%を占めます。湖北地域の投資総額は約191億元で、約10.4%を占めます。

 

プロジェクトを細分化して見ると、2023年上半期のオプトエレクトロニクス・ディスプレイ産業投資額単体で最大のプロジェクトは、郑州の惠科新型ディスプレイプロジェクトで、総投資額は600億元で、その内の第一期投資額は約200億元で、すでに建設が開始されています。

 

世界的なディスプレイの供給と需要のバランスを考慮すると、今後、新しいディスプレイ投資プロジェクトは大幅に減少する見込みですが、ディスプレイ産業に関連する上流および下流の供給チェーンは引き続き国内での投資を進める予定であり、それにより中国のディスプレイ産業全体の競争力のある発展を促進することになるでしょう。