サムスンディスプレイ、iPhone 15にもOLED材料セットM12の適用が有力


2023.04.10 The Elec

 

サムスンディスプレイが下半期に発売予定のApple iPhone 15シリーズ4種すべてに、昨年に初めて使用したOLED材料セットM12を拡大適用すると予想される。サムスンディスプレイは昨年、iPhone 14シリーズでは上位ラインナップ2種だけに当時の最新の材料セットだったM12を適用した。今年下半期に出てくるサムスン電子フォルダブルフォンの新製品のOLED材料セットも、昨年と同じM12を使用すると見込まれる。

 

10日、業界によると、サムスンディスプレイは下半期発売予定のApple iPhone 15シリーズ4種すべてに有機EL(OLED)材料セットM12を拡大適用する予定だと把握された。昨年、iPhone 14シリーズで上位ラインナップ2種は当時新しい材料セットだったM12、下位ラインナップ2種は既存材料セットだったM11を適用した。今年のiPhone上位ラインナップ材料セットは昨年と同じで、下位ラインナップ材料セットはアップグレードされる可能性が高い。

 

OLED材料セットとは、パネルメーカーがスマートフォンに適用するOLED材料構成をいう。OLED材料セットは、赤(R)・緑(G)・青(B)個別の画素のドーパント(発光体)・ホスト(発光層)・プライム(電子ブロック層)など発光層と共通層などから構成される。

 

サムスン電子が下半期に発売するフォルダブルフォンギャラクシーZフォールド5とZフリップ5も現在では昨年Zフォールド4とZフリップ4と同じM12材料セットを適用する方向が有力だ。サムスンディスプレイはアップルを除いて、サムスン電子をはじめとする他の顧客使用で新しい材料セットM13を開発したが今回は適用しない予定だという。今年下半期の発売が予想されるGoogleの最初のフォルダブルフォンにM13材料セットを優先適用する可能性が大きい。

 

サムスンディスプレイはアップル用材料セットM14を別途開発中だという。M14は来年に出てくるiPhone 16シリーズに適用されると予想される。サムスンディスプレイが今回のM13をサムスン電子と他の顧客使用し、M14をアップル用に開発し、今後はOLED材料セットを分けて適用すると見込まれる。

 

過去のAppleは2017年に最初のOLED iPhoneであるiPhone Xと、2018年にiPhone XSなどには独自の材料セットLTを使用したが、2019年からはサムスン電子ギャラクシーと同じMシリーズ材料セットを適用してきた。M12は昨年サムスン電子ギャラクシーZフォールド4とZフリップ4に先に適用された後、アップルiPhone 14シリーズ上位ラインナップ2種に適用された。

 

一方、今年iPhone 15シリーズで下位ラインナップ2種は技術難度の低い低温多結晶シリコン(LTPS)方式の薄膜トランジスタ(TFT)を適用する。iPhone15上位ラインナップ2種は低温多結晶酸化物(LTPO)方式のTFTを適用する。LTPOは既存のLTPSプロセスに酸化物プロセスを追加するため、プロセス難易度が上がり、生産歩留まりが低下します。

 

iPhone 15シリーズでは、サムスンディスプレイは4種すべてにOLEDを供給する。LGディスプレイは上位ラインナップだけにOLEDを納品する。BOEはサブラインナップ用OLEDを供給する予定だが、ホールディスプレイ加工問題で来る5~6月量産に入るiPhone 15シリーズのOLED供給量のすべてをサムスンディスプレイに奪われた。