2025年11月21日 文涛
G8.6世代FMM整線の搬入で「世代移行」を達成
寰采星科技(寧波)有限公司はこのほど、中国国内で初となるG8.6世代精密金属マスクレス技術(FMM)製造ラインの搬入式を開催した。
主要な製造装置が続々と工場へ搬入され調整が始まったことで、この国内最高世代に相当するFMM生産ラインは、量産開始に向けて最終段階に入った。これは、中国の新型ディスプレイ産業が有機ELの重要材料分野で、G6世代からG8世代へと“世代の飛躍”を実現したことを意味し、国内OLEDサプライチェーンの自立性を一段と高める重要な成果となる。
有機ELパネルの製造において、FMMは「精密な印章」にたとえられるほど重要な材料であり、画素の精度や表示品質を直接決める。これまでG6世代以上の精密FMM市場は海外企業が長らく独占し、国内パネルメーカーにとってサプライチェーン上のリスクとなっていた。
寰采星科技は、国内で唯一FMM/CMM/CVDなど全品類の金属マスクを量産できる企業であり、かつ国内最大規模の精密FMM量産メーカーでもある。同社は設立以来、核心技術の開発に注力し、わずか数年でG6世代FMMの海外独占を打破し、国産化を実現した。
G8.6世代ラインの特徴と今後のインパクト
今回搬入されたG8.6世代FMM製造整線は、同社がハイエンド製造装置領域で達成した新たな重大ブレークスルーといえる。プロジェクト責任者によれば、この生産ラインは高精度光刻、電鋳、レーザー切断といった主要プロセスを統合し、2250mm×2600mmのガラス基板に対応する8.6世代OLEDパネルの量産に応えられるという。
G6世代のラインと比較すると、生産効率は40%以上向上し、画素精度はミクロン単位で制御可能。これにより4Kや8Kなど高解像度有機EL製品の製造を支える能力を備える。
寧波工場は同社の主要生産拠点として、すでにG6世代FMMの量産能力を確立している。今回のG8.6世代ラインの導入により、同社の生産能力と製品ラインアップはさらに拡大される。関係者によれば、生産ラインは年内にも量産を開始し、国内の大手有機ELパネルメーカーに高世代FMMを供給できるようになる予定だ。これにより、国内メーカーの海外サプライチェーンへの依存が軽減され、製造コストの低減にも寄与すると見込まれている。
業界専門家は、G8.6世代FMM整線の稼働は、国内有機ELパネル企業がより大画面・高解像度製品へと展開する後押しとなり、世界市場での中国ディスプレイ産業の競争力向上につながると指摘している。