TCL、サムスン電子・LG電子の“ホーム”市場攻略へ本格始動…ミニLEDテレビでプレミアム領域まで戦線拡大


発行日:2026年3月3日(紙面:2026年3月4日付 16面)

出典:電子新聞

 

中国テレビ市場で首位に立つTCLが、韓国国内市場への攻勢を本格化させる。フラッグシップモデルから普及型までフルラインアップを整え、総力戦を仕掛ける構えだ。プレミアムテレビ市場で優位を維持してきたサムスン電子およびLG電子が、その地位を守り切れるかに注目が集まっている。

 

家電業界によると、TCLは韓国の国立電波研究院において、X11L、C8L、C7L、P7Lなどの新型テレビの国内電波認証を完了した。家電需要が拡大する4月以降、順次発売される見通しである。

 

(写真)TCLのSQD(Super Quantum Dot)を搭載したミニLEDテレビ
(写真)TCLのSQD(Super Quantum Dot)を搭載したミニLEDテレビ

 

ミニLEDでプレミアム市場へ本格挑戦

 

TCLはミニLEDテレビを前面に押し出し、サムスン電子とLG電子が主導してきた韓国のプレミアムテレビ市場に挑戦状を突きつけた。ミニLEDテレビはTCLの中核製品であり、同一インチサイズで比較した場合、有機ELテレビより価格が抑えられながらも、一般的なLCDより高精細な画質を実現できる点が特徴だ。こうした特性から、ミニLEDは新たなプレミアム製品群として市場での存在感を高めている。

 

TCLはすでにグローバルのミニLEDテレビ市場で先頭を走っており、その勢いを韓国市場にも波及させる戦略を描いている。

 

フラッグシップモデルであるX11Lは、世界で初めて次世代「SQD(Super Quantum Dot)ミニLED」技術を搭載した。ミニLEDバックライト構造に高効率の量子ドット光学設計を組み合わせることで、色純度と輝度効率を向上させている。BT.2020基準で最大100%の全画面広色域を実現し、最大2万736個の精密ディミングゾーン(LCDディスプレイにおいてバックライトを複数のゾーンに分割し、それぞれ独立して輝度を制御する技術)を備える。さらに最大1万ニットの高輝度表示に対応する。

 

約2センチメートルのスリムデザインとゼロボーダーデザインを採用し、音響面ではBang & Olufsenのチューニングによるオーディオシステムを搭載する。TCLはこのX11Lに加え、4K RGBミニLEDテレビのフラッグシップモデルも投入し、まずは85インチの大型モデルから韓国市場に展開する計画だ。

 

ハイエンドラインのC8Lは65インチから98インチまでのサイズ構成とし、中型から超大型までの需要を幅広く狙う。C8LもSQD技術を採用したミニLEDテレビだが、価格は前年発売のC8Kシリーズと同水準に設定される見込みだ。中級モデルのC7Lおよび普及型P7Lもインチ別にラインアップを整え、市場の裾野拡大を図る。

 

サムスン電子・LG電子は守勢強化へ

 

一方、プレミアムテレビ市場で依然として優位に立つサムスン電子とLG電子は、防衛戦略を強化する方針である。有機ELを代表とするプレミアム製品群で技術的リーダーシップを一段と強固にすると同時に、LCDなど中高価格帯市場も守る「ツートラック戦略」を推進する。

 

サムスン電子は130型マイクロRGBテレビを前面に打ち出し、LG電子はマイクロRGBエボを展開することで、超大型・プレミアム市場での優位を維持する計画だ。同時に、両社ともミニLEDテレビのラインアップを強化し、価格帯ごとの競争力を高める。

 

市場では、2026年が韓国テレビ市場の競争構図における分岐点になるとの見方が出ている。TCLがブランドイメージと技術力を同時に強化していることから、単なる“コストパフォーマンス重視”の追撃戦略を超え、プレミアム市場でサムスン電子・LG電子と本格的に競合する元年になる可能性があると分析されている。

 

家電業界関係者は「TCLはSQDなどの新技術を積極導入した製品でプレミアム市場まで狙っている。価格競争力に依存する戦略を超え、ブランド信頼性と技術力を兼ね備えた企業へと変貌しつつある」と評価している。