LGディスプレイ、中国南京のLCDモジュール事業を売却へ、OLED集中へ事業構造を再編


2026年2月9日 / 出典:韓国メディア

 

広州工場に続く2件目の中国LCD事業整理

LGディスプレイは、中国・南京で展開してきた車載向け液晶ディスプレイ(LCD)モジュール事業を売却する。これは、2025年に中国TCLへ約2兆2,466億ウォンで広州の第8.5世代LCD工場を売却したのに続く、2件目の中国LCD関連事業の整理となる。

 

LGディスプレイは2月9日、中国南京法人が運営してきた車載用LCDモジュール事業を、Top Run Total Solutionへ譲渡する契約を締結したと公示した。譲渡金額は4億9,150万元、日本円で約100億円規模となり、譲渡予定日は7月30日とされている。

 

固定費削減と外注化で経営の柔軟性を強化

LGディスプレイは今回の譲渡目的について、「事業構造の高度化と収益構造の強化」であると説明している。南京法人ではこれまで、IT向けおよび車載向けのLCDモジュール事業を展開してきたが、今回の契約では車載用LCDモジュール事業のみを切り離して売却する。

 

これまで自社生産していた車載用LCDモジュールについては、売却後は外部委託による生産へと切り替える方針だ。LGディスプレイは「今回の譲渡によって固定費を削減し、顧客や市場環境に応じた柔軟な事業運営が可能になる」としたうえで、「全社的な運営効率を高め、事業競争力を強化していく」と説明している。

 

さらに同社は、今後の事業戦略として有機ELを中心とした事業構造への再編を本格的に推進する考えを明らかにしており、LCD依存からの脱却姿勢を一段と鮮明にしている。

 

中国LCD後工程拠点の追加整理観測も浮上

業界では、LGディスプレイが中国国内に残る他のLCD後工程拠点についても整理を検討しているとの見方が以前から出ていた。2025年10月には、中国山東省煙台(イエンタイ)に位置するLCDモジュール工場の売却説が浮上したことがある。

 

煙台工場は2010年に設立された後工程拠点で、完成したLCDパネルを受け入れ、駆動用チップや筐体などを組み立てる役割を担ってきた。投資銀行業界では当時、LGディスプレイが特定の主幹事を立てずに水面下で売却を打診しており、売却額は数千億ウォン規模に達する可能性があるとの分析も出ていた。

 

これに対し、LGディスプレイは煙台工場について「売却を検討、または進行中の事案はない」として、公式には否定している。ただし、今回の南京事業売却を受け、市場では同社の中国LCD事業全体の再編が今後も段階的に進む可能性が高いとの見方が強まっている。

 

LGディスプレイは、LCDから有機ELへと軸足を移す事業転換を進める中で、中国拠点の整理と外注化を通じた固定費削減と経営効率向上を図り、次世代ディスプレイ分野での競争力強化を目指している。