T-ROBOTICS、ファナック・THKとの協力を強化しスマートファクトリー市場を攻略


日付:2026年5月12日

出典:ニュースピム

 

グローバルロボット企業との連携でスマートファクトリー事業を拡大

独立系リサーチのアリスは5月12日、ティロボティクス(T-ROBOTICS)がグローバルロボット企業との協力を拡大し、フィジカルAIを基盤とするスマートファクトリー事業を本格的に広げていると分析した。なお、目標株価および投資判断は提示していない。

 

アリスのイ・ジェモ研究員は、ティロボティクスが日本のファナック、THK、さらにレインボーロボティクスなどと戦略的な協力関係を構築し、スマートファクトリーおよび物流搬送ロボット市場でのシェア拡大を進めていると説明した。そのうえで、半導体、自動車、物流など幅広い産業分野において、中長期的な供給能力を確保していく見通しだと分析した。

 

さらに、ファナックとの協力を通じて、ティロボティクスの自律移動ロボットプラットフォームにファナックの協働ロボットを組み合わせ、フィジカルAIおよびデジタルツインを活用したスマートファクトリーソリューションを開発していると付け加えた。また、THKとは半導体製造工程の検査分野における自律走行ロボット(AMR)の開発を共同で進めており、製造工程の完全自動化を目標としているという。

 

ティロボティクスのロゴ
ティロボティクスのロゴ

 

ティロボティクスは、AMRと半導体・ディスプレイ向け真空ロボット、さらに真空搬送モジュールの製造を主力とするロボット専門企業である。韓国国内で初めて有機EL向け真空ロボットの国産化を実現した実績を持ち、北米の二次電池スマートファクトリー向けにはAMR600台を供給した実績も確保している。

 

最近では、産業用ヒューマノイド「TR Works」とガラス基板専用搬送ロボットなどへと製品ポートフォリオを拡大している。特にガラス基板専用ロボットは、従来の有機EL工程向け真空ロボット技術を活用し、ガラス基板工程に最適化した小型化と高精度化を実現した点が特徴とされる。これは、次世代半導体や先端ディスプレイ製造で求められる高い清浄度と精密搬送技術に直結する技術基盤として注目される。

 

フィジカルAI実証とガラス基板需要拡大が今後の成長要因

イ研究員は、ティロボティクスがKAIST主導の1兆ウォン規模フィジカルAI基盤ダークファクトリープラットフォーム「KAIROS」の実証事業に参加していると説明した。ティロボティクスはこの事業でフィジカルAIの開発とシステム量産を担当しており、国家レベルの導入実績を確保することで、今後は大企業向け事業拡大や海外輸出における有力な実績として活用できる可能性があるという見方を示した。

 

また、AI半導体パッケージング工程でガラス基板の採用拡大が見込まれるなか、チャンバー内部での微細粒子汚染を遮断し、高い清浄度と高精度を両立した搬送技術の競争力が一段と浮き彫りになると診断した。現在は技術開発を完了し、顧客企業によるテストを進めている段階であり、エンドユーザーの採用可否によっては量産ライン受注へとつながる可能性が高いと分析している。

 

今回の分析は、ティロボティクスが単なるロボットメーカーにとどまらず、半導体、ディスプレイ、二次電池、物流を横断するスマートファクトリーソリューション企業へと進化しつつあることを示している。特にフィジカルAI、デジタルツイン、AMR、ガラス基板対応搬送技術という複数の成長キーワードを同時に取り込みながら、将来的な量産受注と海外展開の可能性を高めている点が、市場での評価材料として注目される。