2026年6月29日
出典:WitDisplay
TCL華星向け大型有機EL製造装置受注の概要
DMSは、TCL華星(CSOT)から有機EL製造装置の大型受注を獲得したことが明らかになった。業界関係者によると、DMSはTCL華星と正式に製造装置供給契約を締結し、中国・広州に新設される第8.6世代有機EL生産ライン向けに装置を供給する。この契約規模は677億ウォンに達し、装置の納入は2027年3月頃が予定されている。
今回の受注は、中国における次世代有機EL投資の加速を象徴する案件であり、製造装置メーカーにとっても重要なビジネス機会となっている。
第8.6世代有機ELラインの投資規模と生産能力
TCL華星のT8工場は、第8.6世代のガラス基板を採用した有機EL製造拠点であり、月産22,500枚の生産能力を持つ計画である。広州工場への総投資額は約295億元(約6兆ウォン)に達する。
第8.6世代基板とは、横2,290mm、縦2,620mmの大型ガラス基板規格を指し、この基板から均一サイズのパネルを切り出すことで、テレビ、モニター、ノートPC、タブレットなどの中大型ディスプレイ用途に対応する。TCL華星は2027年末までに工場建設を完了し、量産体制に移行する計画を掲げている。
DMSの競争力と湿式プロセス技術の強み
DMSは、有機ELおよびLCD製造における湿式プロセス装置を主力事業として展開している。具体的には、洗浄、現像、エッチング、剥離といった工程に用いられる製造装置を提供しており、特に中国市場において豊富な納入実績を有する。
同社関係者は今回の受注について、中国における第8世代以上の有機EL投資拡大の流れの中で獲得したものであり、自社の技術力と供給能力が国際的に評価された結果であると説明している。また、現地対応力の高さや装置の安定性が、中国ディスプレイメーカーからの信頼獲得に寄与しているとされる。
中国有機EL投資拡大と今後の成長戦略
中国では現在、第8世代以上の有機EL投資が本格的に進展しており、TCL華星に加えてBOE、天馬、Visionox、HKCなどの主要ディスプレイメーカーも投資を拡大している。こうした動きは、有機ELパネルの性能向上とコスト競争力強化を目的としており、関連する製造装置需要の拡大を強く後押ししている。
DMSは今回の受注を契機に、中国市場におけるさらなる受注拡大を狙っており、売上成長の確保と同時に次世代有機EL投資に伴う新規案件の獲得を戦略の中核に据えている。
さらに同社は、ディスプレイ製造装置にとどまらず、シリコン基板を活用した半導体ガラス基板やOLED on Silicon(OLEDDoS)関連装置といった新規分野への展開も加速している。自社の湿式プロセス技術を基盤に、新市場への参入機会を積極的に模索している点が特徴である。
今後、中国主導の有機EL投資が継続する中で、ハイエンド製造装置メーカー間の競争は一層激化すると見られ、DMSの技術力と供給体制がどこまで市場シェア拡大に結びつくかが注目される。