2025年12月23日/ UBIリサーチ
OMNIVISION、次世代ARグラス向け高解像度LCoSを発表
Metaのスマートグラス「Ray-Ban Display」にLCoSを供給しているOMNIVISIONは、2025年12月16日、次世代AR(拡張現実)グラス向けの高解像度LCoSパネル「OP03021」を公開し、2026年上半期に量産を開始する計画を明らかにした。
今回発表されたOP03021は、0.26インチの光学フォーマットで1632×1536の解像度を実現しており、従来の0.14インチ・648pモデルと比べて解像度は約2.5倍、総画素数は約6倍に拡大している。このパネルを採用することで、従来は約20度に制限されていた視野角の制約を超え、30~40度の広視野角を確保できるほか、PPD(視野角1度あたりの画素数)を大幅に高め、ウェブページやEメールの文字を鮮明に読み取ることが可能になる。
また、ドライバICを統合することで、このパネルを搭載した光学エンジン(ライトエンジン)の体積は約1.5cc、重量は約4gと推定されており、ARグラスの小型・軽量化にも大きく寄与するとされる。
既存モデル比で大幅進化、AR表示体験を刷新
UBIリサーチによる比較によれば、新モデルOP03021は、既存のRay-Ban Display向けLCoSモデルと比べて解像度が約2.5倍、パネルサイズも約1.85倍に拡大している。この進化により、単なる通知表示にとどまらず、実用的な情報閲覧やARコンテンツの表示に適した「汎用ARグラス」への展開が現実味を帯びてきた。OMNIVISIONのLCoS技術は、高解像度と広い視野角を両立できる点で、今後のARグラス市場において重要な選択肢になると見られている。
JBD、超小型マイクロLED「Hummingbird II」でCES革新賞を受賞
一方、JBDは2026年上半期に発売予定の次世代マイクロLEDプロジェクター「Hummingbird II」がCES 2026イノベーションアワードを受賞したことを公式に発表した。Hummingbird IIは500×380の解像度と480Hzのリフレッシュレートに対応し、前世代比で体積と重量を半分に削減、わずか0.2cc、0.5gという超小型・超軽量設計を実現している。
最大4,000nitの高輝度を実現しながら、消費電力は95mWに抑えられており、民生向けAIグラスやARスマートグラスに最適化されたフルカラーディスプレイソリューションであることを強調している。指先に載せられるほど小型なプロジェクターとして、その象徴的なデモも公開された。
技術特性で分化する次世代ウェアラブルディスプレイ市場
業界では、次世代ウェアラブルディスプレイ市場は技術特性に応じて明確に用途が分かれていくと見られている。マイクロLEDは0.2cc級という超小型サイズを強みに、眼鏡本来のデザイン性を維持しながら簡易的な情報を表示する「日常利用向けAIグラス」に適している。一方、LCoSは高解像度と視野角の確保に優れ、ウェブ閲覧やAR情報提示に向いた「汎用ARグラス」の中核技術となる。さらにOLEDoSは高いコントラストと色再現性を生かし、映像コンテンツ消費や没入感が重視されるMRヘッドセットやメディアグラス分野を担うと整理されている。
このような流れから、将来的にはスマートグラスのラインアップが「軽量なAIグラス」と「ディスプレイ重視のARグラス」の二極化に進む可能性が高い。今回公開されたOMNIVISIONのLCoSパネルやJBDのマイクロLEDといった新技術が、MetaやApple、Google/サムスン電子など世界的企業の次世代ARグラスに採用されるのではないかという期待が、業界内で一段と高まっている。