中国での新規参入のHKC(惠科)が初の有機EL製品が量産受注を獲得


2025年11月20日 出典:SemiDisplayView

 

初の有機EL製品、テスト通過し量産へ前進

11月20日の夜、HKC(惠科)は公式アカウントを通じて、11月13日に同社が自主開発した初の有機EL製品が顧客のテストと検証を正式に通過し、第一弾となる量産注文を獲得したと発表した。

 

HKCによれば、これは7月に有機ELの全製造プロセスを一貫して実現した後、同社が技術追随の段階から市場開拓のフェーズへと踏み出した重要な一歩となる。

 

今回の新製品には、超低漏電特性を持つ酸化物バックプレーン技術と、軽量・薄型のHybrid構造が採用されている。複数回の工法調整と製造ラインの最適化を経て、リフレッシュレート、輝度、色彩飽和度、コントラストといった主要な画質指標は業界の主流レベルに到達し、幅広い用途に対応可能となった。LCDディスプレイと比較すると、モジュール厚の大幅削減、酸化物技術の応用領域拡大に加え、コア性能全体の強化も実現している。

 

HKCは、今回の量産受注は同社の有機ELにおける自主開発力と精密製造力が認められた証であり、ブランド顧客の拡大と市場シェアの向上に向けた基盤になると説明した。

 

製品ライン拡大と次世代技術への布石

HKCは、初号機の技術蓄積と量産ラインの成熟を踏まえ、製品ラインナップの強化を加速している。複数の有機EL製品について評価・設計を進めており、より多くのサイズ・アプリケーションをカバーする計画だ。

 

技術蓄積の面では、最先端ディスプレイの重要技術について体系的な研究開発を進めるとともに、プロフェッショナルディスプレイ市場へも参入を拡大し、有力顧客との協力意向も構築している。消費者向け電子機器からプロ用途まで、複数シーンにわたる事業構造を形成し、技術転化と市場浸透の好循環を狙う。

 

HKCは、有機EL事業への参入以来、自主技術を核として資源投入と技術開発を継続し、LCD、MLED、そして有機ELに至る全方位の技術ルートを構築。製品は1.54インチから116インチまで幅広いサイズと用途に対応する体系へと発展している。

 

現在、世界の有機EL市場は消費者向け電子機器へ深く浸透しつつあり、中国勢のAMOLEDシェアは上昇傾向にある。今回のHKCの進展は、中国国内ディスプレイ産業チェーンに新たな成長動力をもたらすものとなった。

 

今後HKCは、生産プロセスの最適化や製品競争力のさらなる強化を進めるとともに、ノートパソコンやタブレットなど中・大サイズの有機EL市場への展開を模索し、さらにMicro OLEDなど次世代ディスプレイ技術にも先行して取り組む方針だ。