2026年2月5日 / 出典:韓国・業界関係者報道
アップル初のフォルダブル製品、保護フィルム素材で最終検討段階へ
アップルが2026年下半期に発売を予定している初のフォルダブル製品において、カバーウインドウである超薄型ガラス(UTG)の上に貼り合わせる保護フィルム素材として、透明ポリイミド(PI)フィルムを検討していることが分かった。これにより、過去に透明PIフィルムの開発および製造装置投資を進めてきたコーロンインダストリーが、再び注目を集めている。
業界の複数関係者によると、アップルはUTG上に適用する保護フィルム素材として、ポリエチレンテレフタレート(PET)フィルムと透明PIフィルムの両方を比較検討している段階にあるという。サムスン電子は現在、フォルダブルスマートフォンのUTG保護層としてPETフィルムを採用しているが、アップルは異なるアプローチを模索しているとみられる。
ある業界関係者は、アップルはまだ最終決定には至っていないものの、現時点では透明PIフィルムが最も有力な候補になっていると証言している。また別の関係者によれば、アップルは当初、PETフィルムを優先的に検討していたが、その後、透明PIフィルムも正式な検討対象に加えたという。
UTG時代の保護フィルム戦略、サムスンとの差別化を意識
フォルダブル製品のカバーウインドウは、ディスプレイパネルを外部衝撃や傷から保護する重要部材である。サムスン電子は2019年に発売した初代フォルダブルスマートフォン「Galaxy Fold」では透明PIフィルムを採用していたが、2020年以降はカバーウインドウ素材をUTGへと切り替えた。
UTGは透明PIフィルムに比べて視認性に優れる一方、割れやすいという課題を抱えている。この弱点を補うため、サムスン電子はUTGの上にPETフィルムを貼り付ける構造を採用してきた。
これに対し、アップルがUTG上の保護フィルム素材として透明PIフィルムを検討している背景には、サムスン電子との差別化戦略があると業界では見られている。透明PIフィルムはPETフィルムよりもコストは高いものの、表面硬度が高く、擦り傷に対する耐久性に優れている点が評価されている。
コーロンインダストリー再浮上、透明PI市場に転機となるか
アップルが透明PIフィルムを本格的に検討する中で、コーロンインダストリーが有力な供給候補として浮上している。同社は過去にフォルダブル製品向けカバーウインドウ素材として透明PIフィルムを開発した実績を持つ企業であり、業界で一般的に使われる「CPI(Colorless PI)」という呼称も、もともとはコーロンインダストリーの製品名に由来する。
同社はかつて、フォルダブルカバーウインドウ市場では透明PIフィルムが主流になると判断し、世界で初めて透明PIフィルムの量産ラインを構築した。しかし、2020年以降はフォルダブルスマートフォン市場においてUTGの採用比率が急速に拡大し、透明PIフィルムの需要は次第に減少した。フォルダブルIT製品向けに一部採用例はあったものの、出荷数量は限定的だった。
サムスン電子も初代Galaxy Fold(2019年モデル)のみ透明PIフィルムを採用したが、その供給元は日本の住友化学であり、出荷量が少なかったことから量産ラインの拡張には至らなかった。
保護フィルム素材の決定迫る、UTGは中国レンズテクノロジーが供給へ
アップルが下半期に投入予定のフォルダブル製品について、保護フィルム素材の最終決定は間もなく行われると予想されている。カバーウインドウ素材としてUTGを採用する方針はすでに確定しているが、一部部材については依然として評価・テストが続いているとされる。
アップル初のフォルダブル製品向けUTGは、中国のレンズテクノロジーがファーストベンダーとして供給する可能性が極めて高い。レンズテクノロジーなどの関連企業は、最終的に選定される保護フィルムをUTGに貼り合わせる工程までを担当する見通しだ。なお、昨年アップルがPETフィルムを有力候補として検討していた際には、レンズテクノロジーがPETフィルムを自社生産する案をアップルに提案していたことも明らかになっている。
コーロンインダストリーの関係者は、CPI事業の収益性向上に向けて多角的な取り組みを続けてきたとした上で、現在は中国などに拠点を持つグローバル企業に対し、テスト用サンプルを提供している段階に過ぎないと説明している。