2026年7月3日
出典:WitDisplay
Apple参入で折りたたみスマートフォン市場の競争構図が変化
折りたたみスマートフォンの登場から約7年が経過し、これまで比較的安定していた市場構造に大きな変化が訪れようとしている。その兆候はすでに折りたたみスマートフォン向け有機ELパネルの調達動向に現れている。2026年にはAppleの調達シェアが約29%に達し、Huaweiの約24%を上回ると予測されている。
Counterpoint Researchの最新レポートによれば、2026年は折りたたみスマートフォン市場におけるブランド競争の転換点となる年と位置付けられている。有機ELパネルの調達シェアでは、Samsungが約31%で引き続き首位を維持する見込みであり、これにAppleが初参入ながら約29%で続く構図となる。Huaweiは約24%とされ、三強体制への移行が現実味を帯びている。
このことは、Appleが今後の折りたたみスマートフォン市場における最大の変数となることを意味する。Apple初の折りたたみスマートフォンの市場投入により、2025年に一時的な調整局面にあった折りたたみ有機EL市場は、再び成長軌道に回帰すると見られている。
出荷量と売上の回復、2026年は成長再加速の年に
Counterpointのデータによると、2026年の折りたたみスマートフォン用有機ELパネル出荷量は約2,750万枚に達し、2025年比で約24%の増加が見込まれている。さらに市場規模は約44億ドルに達し、前年比で48%という高い成長率が予測されている。
2025年には緩やかな調整が見られたものの、2026年には再び拡大局面へと転じる見通しである。この成長は単なる出荷量の回復だけでなく、AppleおよびSamsungのハイエンドモデル投入による平均販売価格(ASP)の上昇や製品構成の高度化によっても支えられる。
一方で、年間を通じた成長は均等ではなく、2026年第1四半期の出荷量は約390万枚と前年比で7%減少する見込みである。これはブランド各社による在庫調整や新製品投入の減少が影響している。その後、第3四半期および第4四半期に出荷が集中し、年間出荷の約64%を占めると予測されている。
製品トレンドは「大画面折りたたみ」へシフト
こうした市場の回復は、Samsungの製品サイクル、Appleの調達ペース、中国スマートフォンメーカーの追随動向に大きく依存すると分析されている。
スマートフォン市場がハードウェアおよびソフトウェアの革新の限界に直面する中で、差別化の鍵として折りたたみディスプレイが各社の戦略の中心となってきた。すでに折りたたみスマートフォンは「一部の先進ユーザー向け製品」から脱却し、より広範な市場へと浸透しつつある。
従来は、グローバル市場ではSamsungが主導し、中国市場ではHuaweiが優位を築くという構図が続いていた。しかしAppleの参入により、今後はApple、Samsung、Huaweiの三社が市場を牽引する新たな競争体制へと移行すると見られている。
さらに製品トレンドも変化している。これまで主流だった比較的低価格な縦折りタイプから、より大画面で高付加価値な横折りタイプへとシフトが進む見込みである。報道によれば、Apple初の折りたたみスマートフォンは2026年9月に発表される可能性があり、展開時の画面サイズは7.5〜7.8インチ、アスペクト比は4:3を採用する見通しである。
Appleの本格参入は、折りたたみ有機EL市場の成長を加速させると同時に、製品仕様や価格戦略、さらにはサプライチェーン全体にまで大きな影響を及ぼす重要な転換点となる。今後の市場動向は、ディスプレイ産業における次の成長フェーズを占う上で極めて重要である。