2025年11月28日 出典:韓国メディア報道
北米スマートフォン顧客への対応力強化を目的に組織を改編
LGディスプレイは、北米の主要スマートフォンメーカー向け事業の対応能力を高め、全社的な業務効率の向上を図るため、組織の一部を再編した。業界関係者によれば、同社は今回の組織改編で、該当顧客を専門に担当する「SC(戦略顧客)商品企画担当」を新設した。これは先行技術の主導力を強化することを目的とした措置である。
LGディスプレイとサムスンディスプレイの両社にとって、この北米の大手スマートフォンメーカーは営業利益において非常に大きな比重を占めている。そのため、専任組織の新設は、競争環境を踏まえた戦略的判断とみられる。
一方で、IT向け8世代有機EL(OLED)を含む新技術の開発を担ってきた「EXOタスク(EXO Task)」は今回の改編で廃止された。「EXO」は、高移動度酸化物のバックプレーン技術を指すLGディスプレイ独自の用語である。ただし、EXOタスクの廃止が即座にIT向け8世代有機ELの新技術開発断念を意味するわけではなく、他部署がこれを継承する可能性は依然として残されている。
IT向け8世代OLEDへの慎重な姿勢と競合他社の動き
LGディスプレイは今年初めから最近に至るまで、IT向け8世代有機ELへの参入に慎重な姿勢を見せ続けている。先月の第3四半期の決算発表後のカンファレンスコールでは、「IT向け有機EL事業の拡大戦略」を問う質問に対し、ノートPC分野でも徐々に有機ELへの移行が進むと予測しつつも、市場規模や移行速度、消費者の受容性などにおいては、まだ慎重な確認が必要だとの見解を示した。
同社はまた、有機ELノートPC市場の成長を綿密に注視し、既存のインフラを最大限に活用しながら将来製品に適用可能な技術基盤を整備し、量産対応力の強化を着実に準備していくと付け加えた。
今年1月の四半期決算カンファレンスコールでも、同社は「現時点においてIT向け8世代有機ELは、市場需要に不確実性が大きい」との認識を示していた。その上で、「確信を持てる明確な市場シグナルが必要であり、可視性が確保されれば参入準備は十分できており、時間的余裕もある」と説明していた。
一方で、サムスンディスプレイやBOEは、IT向け8世代有機ELのライン構築をすでに進めており、両社とも来年の量産開始を目標としている。競合他社が先行して量産体制を整える中、LGディスプレイの慎重な姿勢が今後どのような戦略変更につながるかが注目される。
車載向け事業と技術部門の再配置、CTOへの機能集中を強化
今回の組織改編では、社長直属であった車載向けディスプレイ事業グループを中型事業部の傘下に移管した。これは人材およびインフラの活用効率の向上や、事業シナジーの拡大を目的としたものだと説明されている。また、これまで生産技術センターが担ってきた新技術の検討機能は、最高技術責任者(CTO)部門に統合された。先行技術から量産技術までを一体的に扱う体制を強化する方針である。
さらに、27日に発表された2026年定期役員人事では、生産技術センター長を務めていた崔英錫(チェ・ヨンソク)専務がCTOの副社長へ昇進した。崔副社長は、生産技術の革新、製造プロセス改善、技術完成度の向上などを通じて、LGディスプレイの技術競争力の強化に貢献したと評価されている。
2026年の定期役員人事では、副社長1名、専務2名、常務10名の計13名が昇進した。これは2025年定期人事の10名から3名増加した数字である。LGディスプレイは先月の第3四半期決算発表で「4年ぶりの年間黒字転換が確実視される」と述べており、経営改善の流れが今回の昇進規模にも反映されたとみられる。