114億円規模のOLED材料プロジェクトが始動、無錫で三月科技が新型光電材料生産基地を開設


2025年11月5日 出典:WitDisplay

 

三月科技、新たな光電材料拠点を開業

無錫市・錫山経済技術開発区において、三月科技(Jiangsu March Technology Co., Ltd.)の「総合技術研究開発センター兼新型光電材料ハイエンド生産基地」プロジェクトが正式に開業した。これは同地域における光電情報産業の発展に新たな成長エンジンをもたらすものである。

 

三月科技は2013年に設立された企業で、有機ELディスプレイ材料およびフレキシブル電子機能材料の研究開発・製造・販売を主要事業としている。設立以来、同社は研究開発への投資を拡大し続け、国内で技術的にリードする研究開発体系を構築してきた。これまでに公開済みの発明特許は1176件、認可済み特許は581件に達し、さらにPCT特許を47件、国際特許を15件申請している。

 

同社の自社開発による材料はすでに国内大手パネルメーカーに量産供給されており、小米(Xiaomi)や華為(Huawei)などのスマート端末製品にも幅広く採用されている。今回のp-TSF材料の産業化成果は、清華大学の段煉(Duan Lian)教授チームとの長年にわたる産学連携の成果として生まれたものである。

 

 

5.3億元(114億円)を投じたハイエンド生産基地、年商8億元を目指す

今回稼働を開始した新拠点は、総投資額5.3億元、敷地面積が約2万㎡の規模を誇る。計画では、年間30トンのOLED材料を生産する基地を段階的に整備し、さらに総合技術研究開発センターを設置して、OLED材料のほかPIフレキシブルディスプレイ材料、リチウム電池材料、半導体用フォトレジストなどの研究開発も進める方針だ。フル稼働後には、年間売上高8億元の達成が見込まれている。

 

この基地には分子設計ラボ、スマート生産ライン、デバイス検証センターが統合されており、グラム単位からトン単位までの柔軟なスケールでの材料生産を可能にする。これにより、世界をリードする研究・試作一体型プラットフォームの構築を目指す。さらに、「基礎研究―材料開発―パネル応用」という産業チェーン全体を貫く技術連携体制を確立し、「技術に精通し、市場を理解し、革新に優れた」人材を育成することで、産業連携型のイノベーション・エコシステムを形成していく方針である。