90億円を調達、中国の有機EL用FMMメーカー・衆凌科技がシリーズC資金調達を完了


2025年11月5日/出典:SemiDisplayView

 

FMM分野で海外依存脱却を目指す――衆凌科技がCラウンドで約4億元を調達

11月5日の報道によると、有機EL用精密金属マスク(FMM)メーカーの浙江衆凌科技有限公司(以下、衆凌科技)が、総額4億元(約90億円)を超えるシリーズC資金調達を完了した。今回のラウンドは深創投(Shenzhen Capital Group)がリード投資し、中国建投投資、毅達資本、粤科金融、中科創星、中風投、蘇州創元などが共同出資した。

 

調達した資金は、FMM製品の世代アップを含む研究開発、Invar(インバー)極薄金属帯の国産化推進、太陽光発電および半導体関連の新事業開発、第8.6世代向けFMM生産能力の拡張、海外市場展開、およびIPO準備資金と運転資金に充てられる。

 

 

中国内で唯一の高精細20μm級FMMの国産メーカーへ――日本企業を超える技術力

衆凌科技は2020年9月に浙江省嘉興市で設立された、有機ELディスプレイ用超精細金属マスク(FMM)の研究開発・製造・販売を専門とするハイテク企業である。同社は、長年に日本企業が独占してきた有機EL分野のFMM供給構造を打破し、産業チェーンの完全な自主化と国産化を目指している。

 

公式情報によると、同社の創業メンバーは主要パネルメーカーや国際的なFMM量産企業、金属原材料メーカーの出身者で構成されている。専門分野は特殊金属素材の開発、有機EL画素設計、化学エッチング技術、マイクロレベルの金属加工、FMMの量産および市場展開など多岐にわたる。これにより、原材料開発から最終顧客支援までを一貫して担う体制を確立しており、産業界に新しい解決モデルを提供している。

 

出資元の深創投は次のようにコメントしている。「有機EL用FMMは長年、日本企業が独占してきた重要素材であり、中国のディスプレイ産業チェーンの安全保障上のリスク要因となっていた。衆凌科技はこの独占構造を初めて打破し、第6世代OLEDパネルラインでのFMM国産化を実現した唯一の企業である。さらに、20μm級の高精細FMMを生産できる国内唯一のメーカーであり、原材料の自給自足を達成した初の企業でもある。」

 

同社は継続的な研究開発能力と技術進化の余地を備え、将来的にはハイエンドのFMM分野で日本勢を凌駕する可能性を有していると評価されている。深創投の袁博氏は次のように述べた。「材料・プロセス・製品を一貫して自社で完結できる能力こそが、衆凌科技の最大の強みです。これは現在の国産代替を安定化させるだけでなく、将来的に日本企業を超える原動力にもなる。我々が再び投資を決断したのは、この潜在力への確信によるものです。」