アバコ・YAS・ALBAC…中国CSOTの第8.6世代OLEDラインを攻略、韓国製造装置企業が受注拡大


日付:2026年3月25日(紙面:2026年3月26日)

出典:韓国メディア

 

中国ディスプレイ大手CSOT(China Star Optoelectronics Technology)が推進する第8.6世代有機EL(OLED)生産ラインにおいて、韓国の製造装置メーカーが主要設備の供給を担うことが明らかになった。技術競争力を武器に、中国で進む大規模投資プロジェクトの中で韓国企業が存在感を高めており、業界の注目を集めている。

 

アバコ TFT工程スパッタ製造装置。〈写真 アバコ公式サイト〉
アバコ TFT工程スパッタ製造装置。〈写真 アバコ公式サイト〉

 

韓国装置メーカー、CSOT大型OLED投資で存在感

 

2026年3月25日、中国の装置入札情報を公開する「チャイナビディング」によると、CSOTは最近、第8.6世代OLED生産ラインにおける初期設備の入札結果を確定した。

 

韓国企業では、AVACO、ALBAC、YASの3社が主要な製造装置サプライヤーとして選定された。AVACOとALBACは、米国のApplied Materialsとともにスパッタリング製造装置を分担して供給する。一方、YASは大型有機EL向け蒸着装置の実績を背景に、電子注入層(EIL)および電子輸送層(ETL)など共通層の形成に用いられるオープンマスク蒸着製造装置を担当する。

 

業界関係者によると、YASはこれまで国内顧客の新規投資停滞の影響を受け、装置改造や保守が主な収益源となっていたが、今回の受注により新規装置の製造が本格化し、受注規模は約3000億ウォン(約300億円規模)に達する見込みとされる。

 

CSOTが広州に建設中の第8.6世代(2290×2620mm)有機EL生産施設は、総投資額295億元(約5兆8000億ウオン)に及ぶ大型プロジェクトである。投資期間は2027年10月までとされ、月産2万2500枚(ガラス基板ベース)の生産能力を備える計画だ。同ラインでは、タブレット、ノートパソコン、モニターなどIT用途の有機ELパネルを生産する予定となっている。

 

日本・米国企業も参画、先端技術で国際競争が激化

 

今回のプロジェクトでは、画素形成にインクジェット技術を採用する点も特徴的である。有機EL画素印刷の中核となるインクジェットプリンターは、日本のパナソニックが供給する。

 

さらに、Applied MaterialsはPECVD(プラズマ強化化学気相成長)製造装置、スパッタ装置、インライン走査電子顕微鏡、集束イオンビーム装置を供給する。日本企業では、日新イオンがイオン注入装置、東京エレクトロン(TEL)がドライエッチング装置を担当する。また、サーモフィッシャーサイエンティフィックおよび日立ハイテクも、プラズマ集束イオンビーム顕微鏡や走査電子顕微鏡分野で入札に選定されている。

 

注目すべきは、CSOTが初期段階で選定した主要な生産および検査装置の多くを、韓国・米国・日本の企業が占めた点である。中国パネルメーカーが国産装置の採用を進める流れの中でも、有機EL分野では依然として代替が難しい先端技術を持つ海外企業が競争優位を維持していることが浮き彫りとなった。

 

別の業界関係者は「製造装置メーカーが売上を伸ばすには、パネルメーカーの設備投資が不可欠である。韓国装置メーカーは、中国のように投資が活発な市場において技術力を武器に受注を拡大し、業績回復の機会をつかんでいる」と分析している。