OLEDモニター市場が急成長、2025年出荷台数は前年比64%増


記事日付:2026年1月27日 / 出典:UBI Research 

 

2025年に約320万台、モニター向け有機ELが急拡大

2025年のグローバルにおけるモニター用有機ELパネルの出荷量は約320万台に達し、前年と比べて急成長を記録した。市場調査会社UBIリサーチが発行した「中大型OLEDディスプレイ・マーケットトラッカー」によると、2025年のモニター用有機EL出荷量は、2024年の195万台から約64%増加した。さらに2026年も50%を超える高い成長率が予測されており、モニター用有機ELは中大型有機EL産業の中で最も成長速度の速い応用分野として位置付けられている。

 

2025年に64%成長し、2026年も50%以上の高成長が見込まれるモニター用有機EL市場動向(出典:UBIリサーチ)
2025年に64%成長し、2026年も50%以上の高成長が見込まれるモニター用有機EL市場動向(出典:UBIリサーチ)

 

サムスンディスプレイとLGディスプレイの戦略転換

こうした成長の背景には、パネルメーカー各社の事業戦略の変化がある。サムスンディスプレイはQD-OLED量産ラインを軸に、テレビ用パネルよりも販売単価と収益性が高いモニター用有機ELパネルの出荷拡大に注力している。プレミアムゲーミングモニターやクリエイター向け製品を中心にQD-OLEDの採用が拡大しており、サムスンディスプレイの中大型有機EL戦略においても、モニター分野の比重は着実に高まっている。

 

LGディスプレイもWOLEDベースのテレビ向けパネル供給を維持しつつ、モニター用有機ELパネルの出荷拡大に経営資源を集中させている。LGディスプレイは2023年に約10万台規模でモニター用有機ELの供給を開始し、2024年には20万台、2025年には約40万台まで出荷量を拡大したとみられている。2026年以降も新規顧客の獲得やライン稼働率の向上を通じて、モニター用有機ELの出荷増加傾向が続くと予想されている。

 

高い面取率と収益性がモニター用有機ELを後押し

パネルメーカーがテレビ用よりもモニター用有機ELに注目する理由として、生産効率と収益構造の優位性が挙げられる。第8.5世代ガラス基板を基準にすると、テレビ用パネルは面取率が約60〜70%にとどまり、MMG(Multi Model Glass)技術を適用しても80%前後にとどまるケースが多い。一方、モニター用パネルは27インチや34インチといったIT規格を中心に効率的なパネル配置が可能であり、90%を超える高い面取率を維持できる。

 

さらに、パネル面積当たりの販売価格においても、モニター用有機ELはテレビ用と比べて相対的に高い収益性を確保できる。このため、パネルメーカーにとってモニター用有機ELは、ライン効率と利益率の両面で魅力的な選択肢と評価されている。

 

この動きは韓国メーカーに限らない。中国のパネルメーカーもIT向け有機EL市場への参入を加速させている。BOEはIT向け有機ELパネルの出荷量を段階的に拡大しており、TCL CSOTも自社のインクジェットプリンティング有機EL技術を適用したモニター用パネルの出荷を計画している。中国メーカーの本格参入は、中長期的にOLEDモニター市場の価格競争力向上と製品ラインアップの多様化を同時に促す要因となる可能性が高い。

 

UBIリサーチの韓昌旭(ハン・チャンウク)副社長は、「中大型有機EL市場において、パネルメーカーの戦略軸はテレビからモニターへと徐々に移行している」と指摘し、「モニター用有機ELは高い面取率と比較的安定した収益構造を同時に確保できる分野だ」と分析している。さらに、「韓国メーカーだけでなく、中国パネルメーカーも自社技術を活用したOLEDモニター市場への参入に積極的だ」と述べ、「OLEDモニター市場はゲーミング、クリエイター用途、プレミアムIT機器を中心に応用分野を拡大しながら成長を続けるだろう」との見通しを示した。

 

なお、これらの内容は、1月29日にUBIリサーチが開催する「The Next Phase of Display 2026 セミナー」において、より詳しく取り上げられる予定である。