サムスンディスプレイのQD-有機EL、側面視でも高画質維持を実証


日付:2026年4月22日

出典:サムスンディスプレイ

 

60度の側面から見ても高い輝度維持率を確認

サムスンディスプレイのクォンタムドット(QD)-有機ELが、側面から見た場合でも優れた画質を維持することが確認された。今回、サムスンディスプレイは、テレビ用およびモニター用のQD-有機ELが、グローバル認証機関であるUL Solutionsの「クォンタムビュー」検証評価を完了したと22日に明らかにした。これにより、正面だけでなく斜め方向や横方向から見た場合でも、QD-有機ELが高い視野角特性を示すディスプレイ技術であることが改めて示された。

 

クォンタムビューは、ディスプレイを正面から見た状態を基準に、10度ずつ視点を移動させながら最大60度までの位置で、画面の輝度と色座標の変化量を測定する評価方式だ。サムスンディスプレイはQD-有機ELの全製品群を対象にこの評価を実施した。その結果、60度の側面から見た場合でも、正面比での輝度維持率は60%以上を記録し、色座標の変化量も0.012以下にとどまり、画質変化はごく小さいことが分かった。

 

これに対し、一般的な液晶ディスプレイ(LCD)は、60度の視野角条件では輝度維持率が20%以下まで低下し、色座標の変化量は最大0.025に達するとされている。つまり、QD-有機ELは従来のLCDと比べ、横方向から見た時の明るさや色の再現性で明確な優位性を持つことになる。テレビ、ゲーミングモニター、業務用高精細モニター市場で視野角性能が重視されるなか、今回の結果はQD-有機ELの競争力を示す指標として注目される。

 

サムスンディスプレイのクォンタムドット(QD)-有機ELがグローバル認証機関の視野角評価を通過し、側面から見ても優れた画質を提供することが分かった。(資料=サムスンディスプレイ)
サムスンディスプレイのクォンタムドット(QD)-有機ELがグローバル認証機関の視野角評価を通過し、側面から見ても優れた画質を提供することが分かった。(資料=サムスンディスプレイ)

 

QD-有機ELの広視野角を支える独自構造と光学特性

QD-有機ELが優れた視野角特性を実現する背景には、独自の前面発光構造と、クォンタムドット材料が持つランバーティアン発光特性がある。一般に光は直進性を持つため、ディスプレイは見る角度によって明るさや色味が変化しやすい。しかし、ランバーティアン発光はあらゆる方向に均一に光を放射するため、観察する角度が変わってもほぼ同じ明るさに見える光学特性を意味する。

 

QD-有機ELでは、クォンタムドットが青色有機ELの光を吸収し、それを赤色と緑色の波長として再放出する。この過程で単に色変換を行うだけでなく、光が球面状に広がるように拡散する特性も示す。そのため、正面からだけでなく側面から見た場合でも、色の鮮やかさや明るさの低下を抑えやすい。サムスンディスプレイは、こうした構造によって、他の大型有機EL技術とは異なり、QDピクセルが前面で鮮明かつ高純度の色を直接生成できるとしている。これにより、色精度と光効率の両方を高めることが可能になる。

 

この技術的特徴は、単に映像の見え方を改善するだけでなく、複数人で同じ画面を視聴するテレビ用途や、マルチモニター環境、広い作業空間で利用される業務用途でも大きな意味を持つ。画面の真正面に座っていない場合でも視認性を維持できるため、映像品質への要求が高い分野での導入価値が高まるとみられる。

 

OLEDモニター市場をB2B分野へ拡大するサムスンディスプレイ

サムスンディスプレイは現在、ゲーミング中心だったOLEDモニター市場を、映像制作、グラフィック制作、コンテンツクリエイション、金融取引など、高精度ディスプレイ需要が高い企業間取引(B2B)領域へと拡大している。特に映像・画像の色再現性や明るさの安定性、視野角特性が業務品質に直結する専門職では、表示性能の差が作業効率や成果物の品質に直接影響する。

 

今回のUL Solutionsによる評価結果は、そうしたB2B市場拡大戦略においても重要な意味を持つ。高精細な映像確認や色校正、リアルタイムのデータ監視など、正確な表示が求められる用途では、ディスプレイをどの角度から見ても品質が大きく変わらないことが重要だからだ。サムスンディスプレイのQD-有機ELは、単なる高画質ディスプレイではなく、広視野角、高輝度維持、高い色安定性を備えた次世代ディスプレイ技術として位置付けられつつある。