メモリ好況が有機EL市場を揺るがす…スマートフォン出荷減少の影響


日付:2026年5月12日

出典:UBIリサーチ

 

サムスンディスプレイが2026年第1四半期のスマートフォン向け有機ELパネル市場において、中国主要パネルメーカー4社の合計を上回る市場シェアを記録した。

 

スマートフォン市場の減速と有機EL出荷の減少

 

市場調査会社UBIリサーチによると、2026年第1四半期のスマートフォン向け有機ELパネル出荷量は1億9000万台となり、前年同期比で12%減少、前四半期比では20%減少した。年末商戦後の閑散期に入った影響に加え、最近のメモリ価格上昇がセットメーカーの生産調整を引き起こし、その結果として有機ELパネルの出荷量減少につながったと分析されている。

 

サムスンディスプレイが第1四半期のスマートフォン用有機ELパネル市場で、中国主要4社の合計を上回るシェアを記録(資料:UBIリサーチ)
サムスンディスプレイが第1四半期のスマートフォン用有機ELパネル市場で、中国主要4社の合計を上回るシェアを記録(資料:UBIリサーチ)

 

サムスンディスプレイ、単独で中国4社合計を上回る

 

企業別では、サムスンディスプレイが44.4%の市場シェアで首位を維持した。これは前年同期の42.8%から1.6ポイント上昇した数値である。出荷量自体は前年より減少したものの、市場全体の縮小幅より小さかったため、結果としてシェアは拡大した。

 

一方、中国企業4社の合計シェアは43.8%で、サムスンディスプレイ単独の44.4%を0.6ポイント下回る結果となった。内訳を見ると、BOEが16.3%で最も高く、Visionoxが10.7%、ティエンマが9.0%、TCL CSOTが7.8%を記録している。

 

企業別の明暗と今後の見通し

 

各社の動向には差が見られた。BOEは中国企業の中で最大のシェアを維持し、Visionoxも前年同期の9.3%から10.7%へとシェアを拡大した。一方で、ティエンマは12.1%から9.0%へ、TCL CSOTも9.8%から7.8%へとそれぞれ低下し、明暗が分かれる結果となった。

 

LGディスプレイは9%のシェアを記録し、前年同期の7.6%から1.4ポイント上昇した。前四半期比では季節要因により出荷量は減少したものの、前年同期比では安定した成長を維持している。UBIリサーチは、LGディスプレイの2026年におけるiPhone向けパネル出荷が前年より増加する見通しを示している。

 

韓国メーカーであるサムスンディスプレイとLGディスプレイの合計出荷量は前年同期比で約7%減少したのに対し、BOE、TCL CSOT、ティエンマ、Visionoxといった中国メーカーの合計出荷量は約17%減少した。減少幅で見ると、中国メーカーの落ち込みは韓国メーカーの2倍以上に達している。

 

UBIリサーチは、今回の動向について「メモリ価格上昇に伴う中国スマートフォンメーカーの生産調整の影響が、中国パネルメーカーにより強く表れていることを示している」と分析している。