サムスンディスプレイとLGディスプレイ、2026年はモニター向け有機EL出荷を大幅拡大へ


記事日付:2026年1月8日

出典:オムディア(Omdia)

 

成長分野として浮上するモニター向け有機EL

サムスンディスプレイとLGディスプレイが、2026年にモニター向け有機ELパネルの出荷量を大幅に拡大するとの見通しが示された。テレビ向け有機EL市場が世界的に伸び悩む中で、成長性が明確なモニター向け有機EL分野に、両社が経営資源を集中させていることが背景にある。

 

市場調査会社オムディアは、2026年の第3四半期までの累計で、世界のモニター向け有機EL出荷量が402万台に達すると予測している。この数値は、2025年通年の出荷量である340万台をすでに上回る水準であり、モニター用有機EL市場の拡大ペースが加速していることを示している。

 

例年、下半期はモニター需要の最盛期にあたるため、2026年通年の出荷量はさらに大きく増加する可能性が高い。2025年の実績を見ても、世界のモニター向け有機EL出荷量340万台のうち、第3四半期が103万台、第4四半期が100万台と、下半期だけで全体の約6割を占めていた。

 

メーカー別モニター向け有機ELの四半期別出荷量予測(資料=オムディア)
メーカー別モニター向け有機ELの四半期別出荷量予測(資料=オムディア)

 

サムスンディスプレイとLGディスプレイが市場を牽引

パネルメーカー別に見ると、2026年第3四半期までの累計モニター向け有機EL出荷量は、サムスンディスプレイが298万台、LGディスプレイが103万台と予測されている。一方、中国勢ではBOEが6,000台、エバーディスプレイが3,000台にとどまり、現時点では市場における存在感は限定的である。

 

韓国の2大パネルメーカーの予測値は、いずれも前年の年間出荷量を上回る水準となっている。2025年の実績では、サムスンディスプレイが256万台、LGディスプレイが84万台であったが、2026年はこれを大きく超える見通しだ。

 

オムディアは、サムスンディスプレイが前年に続き、2026年もモニター向け有機ELの比重を急速に高めていると分析している。サムスンディスプレイのモニター用有機ELは、量子ドット(QD)を用いたQD-OLED方式で製造されている。一方、LGディスプレイはホワイト(W)-OLED方式を用いてモニター向けパネルを供給している。

 

ゲーミング需要が後押し、TV向け有機ELは横ばい

モニター市場における有機ELの浸透率は依然として高いとは言えないものの、その成長スピードは非常に速い。高リフレッシュレート、高速応答、そして高コントラストを求めるゲーミングモニター需要が拡大していることが主因である。さらに、コンテンツ制作や映像視聴の分野でも、高解像度・高画質のモニターが有利であり、有機ELの特性が評価されている。

 

モニター向け有機ELは、テレビ向けに比べてパネルサイズは小さいものの、プレミアム製品の比率が高く、平均販売単価が高い点もパネルメーカーにとって魅力的だ。実際に、ASUSやMSIといったブランドが、最近相次いで有機ELモニターの新製品を発表している。

 

これに対し、テレビ向け有機EL市場は、世界的なテレビ需要の回復遅れや、プレミアムテレビ市場における競争激化の影響で、成長が限定的な状況にある。このため、サムスンディスプレイとLGディスプレイがモニター向け有機ELの出荷拡大に注力しているのである。

 

オムディアのデータとは別に、韓国国内業界では、2026年の年間モニター向け有機EL出荷量が、サムスンディスプレイで約400万台、LGディスプレイで約140万台に達するとの見方も出ている。これは2025年実績と比較すると、サムスンディスプレイが約56%増、LGディスプレイが約67%増に相当する。

 

一方、2026年のテレビ向け有機EL出荷量については、サムスンディスプレイが約100万台、LGディスプレイが約600万台と推定されており、いずれも前年とほぼ同水準になると見られている。モニター向け有機ELが、今後の有機EL事業成長を牽引する中核分野として位置付けられつつあることが、今回の予測から明確に浮かび上がっている。