2025年12月12日/出典:UBIリサーチ
成都B16で8.6世代有機ELラインが稼働段階へ
BOEは、中国四川省成都市に建設を進めてきた8.6世代(2290×2620mm)IT向け有機EL生産ライン「B16」において、内部点灯を完了したことが確認された。総投資額は630億元(約12兆4,000ウォン)に達し、2024年3月の着工以降、工程は極めて速いペースで進められてきた。完成後の生産能力は、月産3万2,000枚規模のガラス基板処理を目標としている。
BOEはこの点灯完了について対外的な正式発表をまだ行っていないが、関係者によれば公式アナウンスは2025年12月中に実施される見通しだという。展示会では、BOEが開発した240Hz駆動のLTPO有機EL試作品も公開されており、同社がIT分野向け高性能有機EL技術の実用化を加速している姿勢がうかがえる。
ノートPC向け供給を皮切りにIT有機EL戦略を拡大
今回の点灯式で用いられた試作品は、Acer向けに供給される14インチのノートPC用有機ELパネルとされている。これは、世界的にノートPCへの有機EL採用が拡大する流れの中で、BOEが戦略的なリファレンスを確保する狙いを持つものと評価されている。一方で、Oppoのスマートフォン向けパネルについてもB16ラインをベースに開発が計画されていたが、スケジュール調整の影響で開発はやや遅れていると伝えられている。
B16ラインは今後、フェーズ2の投資によってさらなる生産能力拡張が予定されており、中核工程である蒸着製造装置については、サンイクシステム(Sunic System)が最終的な供給企業として選定される可能性が高い。初号機の製造装置は2026年第4四半期に搬入される見通しで、その後はBOEのIT向け有機EL量産競争力が本格的な拡大局面に入るとみられている。
IT機器を中心とした有機EL需要が急速に増加する中で、BOEのB16プロジェクトは、中国パネル業界が高解像度・大面積有機EL市場へ本格参入することを象徴する投資と位置付けられている。特に8.6世代ラインの構築は、ノートPCやタブレットを含むIT向け有機EL分野において、中国メーカーが韓国勢との技術格差を縮める重要な転換点になると見込まれている。