韓国OLEDの存在感が一段と拡大、アップル向けディスプレイでシェア優位を強化


2026年1月19日 出典:韓国経済紙

 

アップル次期主力モデルを韓国勢が独占、技術難度の壁が明暗を分ける

韓国の有機ELディスプレイ産業の地位が、さらに一段階引き上げられる見通しとなった。世界有数のITメーカーであるアップルの中核ディスプレイを、韓国企業が事実上独占する構図が固まりつつあるためだ。競合各社の追い上げや、アップル自身によるサプライチェーン多角化の試みが続く中でも、差別化された技術力を武器に、むしろ影響力を拡大している点が注目されている。

 

関係者への取材を総合すると、アップルが2026年秋に投入するアイフォン18シリーズおよび折りたたみ型アイフォン向けディスプレイは、サムスンディスプレイとLGディスプレイが担当する見通しだ。アイフォン18シリーズは、従来の4モデル構成から変更され、プロとプロマックスの2モデルに絞られる予定であり、両モデルとも韓国勢による供給が確実視されている。

 

BOEは2025年にアイフォン17シリーズのサプライチェーンに参入したものの、同年末に品質問題が発生したことに加え、2026年に登場するアイフォン18プロおよびプロマックスでは、前世代を上回る技術難度が求められるため、新規参入は事実上不可能との見方が業界では支配的となっている。

 

LTPO+とUDIRが分水嶺、対応可能なのは韓国2社のみ

アップルはアイフォン18向け有機ELの条件として、駆動回路まで酸化物技術を適用した「LTPO(低温多結晶シリコン酸化物)+」と、赤外線(IR)センサーをディスプレイ下に内蔵する「アンダーディスプレイIR(UDIR)」技術を要求しているとされる。

 

業界関係者は「BOEは従来のLTPO対応でも苦戦してきたが、アップルはそれを進化させたLTPO+を求めている」と指摘する。その上で「LTPO+に加えてUDIRまで量産対応できるメーカーは、現時点ではサムスンディスプレイとLGディスプレイしかない」と評価している。

 

サムスンディスプレイがCES 2026で公開した次世代フォルダブルパネル(右)と従来型フォルダブルパネルの比較(写真:サムスンディスプレイ)
サムスンディスプレイがCES 2026で公開した次世代フォルダブルパネル(右)と従来型フォルダブルパネルの比較(写真:サムスンディスプレイ)

 

フォルダブルからスマートウォッチまで、韓国OLEDが全面的に主導

アップルが投入するフォルダブルアイフォンについても、サムスンディスプレイが単独供給することが決まっている。アップルは数年にわたりフォルダブルアイフォンを準備してきたが、2026年秋の発売を正式に決断した。フォルダブルアイフォンの中核部品となるフォルダブル有機ELは、これまでサムスンディスプレイと共同開発が進められてきた経緯があり、発売計画が変更されない限り、同社の供給は確定的とされている。

 

アップルのフォルダブル有機ELは、縦軸を中心に左右へ展開する構造で、折り目がほとんど見えない点が特徴とされる。これはアップルにとって初のフォルダブル製品であり、アイフォンに続く次世代戦略製品と位置付けられている。その重要モデルを支えるディスプレイも、韓国OLEDが担う形となった。

 

アップルウォッチ11(写真:アップル公式サイト)
アップルウォッチ11(写真:アップル公式サイト)

 

さらに、世界のスマートウォッチ市場で首位を占めるアップルウォッチでも、韓国OLEDへの依存度が高まっている。これまで全体供給量の約20%を担っていた日本のジャパンディスプレイ(JDI)が、収益性悪化を理由に2025年に工場稼働を停止したためだ。

 

その結果、アップルウォッチ向け有機ELはLGディスプレイの単独供給体制へと移行した。LGディスプレイの供給量は、従来の年間約2,800万台から2026年には約3,400万台へと増加する見通しであり、競合不在の状況から、少なくとも今後2年以上は単独供給が続くとみられている。

 

技術力と量産力が決め手、アップル依存低減は進まず

こうした一連の成果の背景には、韓国OLEDの技術力がある。アップルはサプライチェーン多角化に極めて積極的な企業であり、かつてクアルコムやインテルに依存していた半導体分野でも、自社開発・自社設計へと大きく舵を切ってきた。ディスプレイ分野においても、日本や中国メーカーを継続的に採用してきたが、新技術対応、品質、量産性といった点で、韓国ディスプレイメーカーが一歩抜きん出ていると分析されている。

 

あるディスプレイ専門家は「アップルは韓国依存を下げるため、中国メーカーに発注したい意向を持っているが、最終的には品質や歩留まりで韓国勢が圧倒的に優位なため、選ばざるを得ない」と述べ、「有機EL分野は、明確に韓国が主導している」と総括している。