OLED発光材料市場、パネル出荷減で下方修正


2026年6月2日、出典:UBI Research

 

2026年予測は12.8%引き下げ、メモリ価格上昇が影響

 

UBI Researchが発表した最新の「2Q26 AMOLED発光材料市場トラッカー」によると、OLED発光材料の購入額に関する市場予測は従来見通しから12.8%下方修正された。今回の下方修正の主な要因は、メモリ価格の上昇に伴うOLEDパネル出荷の減少である。実際に2026年第1四半期のOLEDスマートフォンパネル出荷は前年同期比で減少しており、最終製品側の需要鈍化が材料市場に直接的な影響を及ぼしている。

 

OLED発光材料市場は依然としてスマートフォン向け需要への依存度が高く、スマートフォン市場の変動がそのまま材料需要の増減に反映される構造となっている。メモリ価格の上昇はセットメーカーのコスト負担を増大させ、その結果としてスマートフォン出荷の抑制が起こり、さらにOLEDパネルの生産調整へとつながる。この一連の流れが、発光材料の購入量減少という形で市場に波及している。

 

発光材料市場は主に韓国および中国のパネルメーカーの購買動向に左右される。Samsung DisplayやLG Displayといった韓国メーカーに加え、BOEやCSOT、Visionoxなどの中国メーカーが市場での存在感を急速に高めている。近年では中国メーカーの設備投資と生産能力拡大を背景に、材料購入額において韓国勢を上回る局面も見られている。ただし、韓国メーカーはApple向けなど高付加価値製品に強みを持つ一方、中国メーカーは数量拡大によってシェアを伸ばすという構図は引き続き維持されている。

 

用途別に見ると、OLEDの最大用途は依然としてスマートフォンであり、タブレットやノートPCといったIT用途や車載用途が成長分野として期待されているものの、現時点ではスマートフォン需要の変動を補完するには至っていない。このため、スマートフォン市場の減速は材料市場全体の成長にも直接的な制約として作用している。

 

技術面では、発光材料は発光層、ホスト材料、さらには正孔輸送層や電子輸送層といった共通層材料から構成されており、それぞれで性能向上が進められている。特に高効率化技術として燐光材料、TADF、ハイパーフルオレッセンスなどの開発が進展しているほか、最大の課題とされる青色材料の寿命改善も引き続き重要なテーマとなっている。また、タンデムOLED構造の採用が進むことで、単位パネル当たりの材料使用量が増加する傾向にあり、これは中長期的な市場拡大要因の一つと見られている。

 

このように短期的には市場予測が下方修正されたものの、中長期的にはOLED発光材料市場の成長は維持される見通しである。別の予測では、2025年に約2.2~2.8億ドル規模とされる市場が、2029年には約3.2~3.7億ドル規模へと拡大すると見込まれており、年平均で6~7%程度の成長が期待されている。今後の市場の鍵を握るのは、スマートフォン依存からの脱却と、ITおよび車載分野での需要拡大、そして青色発光材料を中心とした技術革新の進展である。