HKC H7プロジェクト:eLEAP OLED投資の全体像


日付:2026年5月18日

出典:UBIリサーチ

 

UBIリサーチの分析によると、中国ディスプレイメーカーHKCは、従来のLCD中心から脱却し、OLEDを軸とした新たな成長戦略を進めている。その中核となるのが「H7プロジェクト」であり、eLEAP技術を活用した次世代OLED投資である。

 

H7プロジェクトの構成

H7プロジェクトは、従来の新会社設立型ではなく、既存の綿陽H4工場の法人を活用して進められている。これは地方政府の投資スキームと密接に関係している。このプロジェクトには以下の設備が含まれる:

 

JDI(ジャパンディスプレイ)から導入した中古の第6世代LTPS LCDライン(第一段階)

FMM方式かeLEAP技術のいずれかを用いた第6世代OLEDライン(第二段階で約22K規模)

 

eLEAP OLED投資の位置づけ

今回のH7プロジェクトの中でも特に重要なのが、eLEAP技術を用いたOLEDラインである。eLEAPはJDI(ジャパンディスプレイ)が開発した次世代OLED製造技術であり、

 

・マスクレス(FMM不要)

・高開口率

・高輝度・長寿命

・低コスト化の可能性

 

といった特徴を持つ。HKCはこの技術を活用することで、他社の従来のFMM方式OLEDからの技術転換を狙っている。

 

投資規模と地域戦略

綿陽プロジェクト全体は、中国地方政府の支援を受けた大型プロジェクトとなっている。また、このプロジェクトは単なる設備投資ではなく、

 

・地方政府主導の資金構造

・既存工場の再活用

・技術導入+内製化

 

といった中国特有の産業政策と密接に結びついている。

 

中国ディスプレイ産業の構造変化

HKCの動きは単なる企業戦略ではなく、中国ディスプレイ産業全体の転換を象徴している。

 

従来:

・LCD中心

・規模拡大型

 

現在:

・OLEDへの転換

・技術主導型競争

 

特に、

・Visionox:ViP(eLEAPと同じマスクレス技術)

などと並び、HKCはeLEAPを検討して競争に参加する計画である。

 

総括

・HKCはH7プロジェクトでOLEDへ本格参入

・eLEAP技術の検討によりFMM依存からの脱却を狙う

・LCD+OLEDの二本柱戦略

・中国パネル産業は「量」から「技術」へ転換中