2026年5月28日
出典:未来産鏈
中国の西湖烟山科技(杭州)有限公司はこのほど、世界初となる8インチシリコン基板窒化ガリウム(GaN)MicroLEDのIDM量産ラインが、徳清工場において正式に稼働を開始したと発表した。これにより、中国のMicroLED技術は研究開発段階から本格的な量産フェーズへと移行したことを意味し、烟山科技は世界でいち早く8インチシリコン基板GaN MicroLEDのフルプロセス量産を実現した企業の一つとなった。
今回稼働した量産ラインは、材料エピタキシャル成長からチップ製造、さらに先進パッケージングに至るまでの全工程をカバーしており、同社がMicroLEDにおける全産業チェーン型IDM能力を備えたことを示している。MicroLEDは、LCDや有機ELに続く次世代ディスプレイ技術と位置付けられ、高輝度・高コントラスト・低消費電力・長寿命といった特長を有する。AR/VR、車載ディスプレイ、高級商用ディスプレイ、さらには光通信など幅広い分野での応用が期待されている。一方で、製造難易度の高さや歩留まり、コストの問題が長年にわたり産業化の障壁となってきた。
研究開発力を背景にしたコア技術の確立
烟山科技は2022年に設立され、西湖大学の研究員である孔玮博士によって創業された。西湖大学の研究基盤を背景に、同社のコアチームは半導体界面処理や化合物材料成長の分野で深い技術蓄積を有している。現在は、MOCVDによる材料成長、ハイブリッドボンディング、三色垂直積層といった主要技術に重点的に取り組んでおり、8インチシリコン基板GaNプラットフォーム上で混合集積の全工程検証を完了している。
これまでに同社は大サイズのMicroLEDパネルの発光に成功しており、接続率は6Nレベル(99.9999%以上)に達し、解像度も20,000PPI以上へと引き上げている。
産業応用と資金調達で加速する量産展開
産業化の面では、烟山科技はすでにコンシューマーエレクトロニクス、車載ディスプレイ、直視型ディスプレイの三大分野に参入している。マイクロディスプレイ分野では、RayNeoやRokidといった企業と協力し、ARグラスやマイクロプロジェクション向け製品を展開している。車載分野ではBYDのサプライチェーンに参入しており、直視型ディスプレイではサムスンディスプレイ、BOE、華星光電、天馬などのパネルメーカーと提携関係を構築している。
2026年4月には、海望資本をリード投資家とするAラウンド資金調達を完了し、東方嘉富や常春藤資本なども出資に参加した。調達資金は主に量産ラインの高度化および技術開発に充てられる予定である。
今回の量産ライン稼働により、中国のMicroLED産業は大規模製造および商業化の実現に向けて重要な一歩を踏み出した。同時に、世界の次世代ディスプレイ産業に対して新たな「中国モデル」を提示する動きとしても注目される。