「プライバシーディスプレイ」搭載スマートフォンが急拡大—出荷量が1年で20倍に増加へ


日付:2026年4月3日

出典:SigmaIntel(報道:韓国メディア)

 

プライバシーディスプレイ機能を搭載したスマートフォンの出荷量が、わずか1年で約20倍に急増する見通しが示された。オンデバイスAIの普及により個人情報保護の重要性が高まる中、この技術はプレミアムスマートフォン市場における新たな差別化要素として急速に注目を集めている。

 

出荷量は2026年に2100万台へ急拡大

 

市場調査会社SigmaIntelの分析によると、プライバシーディスプレイを搭載したスマートフォンの世界出荷量は、2025年の100万台から2026年には2100万台へと大幅に拡大する見込みである。さらに2027年には前年比約40%増の2900万台に達すると予測されている。

 

スマートフォン市場における競争軸は、従来のハードウェア性能中心から、ユーザー体験や情報保護といった領域へと急速に広がっている。特にオンデバイスAI機能の進化により、スマートフォンが処理する個人データの機密性が一層高まっており、公共の場や移動中における画面の覗き見防止ニーズが急増している。こうした背景から、プライバシーモードはプレミアムモデルにおける重要な競争要素として位置付けられている。

 

サムスン電子が市場導入をリード、各社も追随

 

主要スマートフォンメーカーもこの分野への対応を急速に進めている。サムスン電子は2026年初頭、Galaxy S26 Ultraに初めてプライバシーモードを搭載し、市場の本格的な商用化を牽引している。これに続き、HuaweiやXiaomiも同機能の導入を積極的に検討しており、OppoやVivoも製品化に向けた開発を進めているとされる。

 

このように、グローバルメーカー各社がプライバシーディスプレイ技術の導入を進めることで、今後は標準機能としての普及も視野に入る状況となっている。

 

プライバシーモードを搭載したスマートフォン出荷量は1年で20倍に急増する見込み(写真:サムスンディスプレイ)
プライバシーモードを搭載したスマートフォン出荷量は1年で20倍に急増する見込み(写真:サムスンディスプレイ)

 

技術構造と今後の課題、フォルダブルへの展開も視野

 

プライバシーモードは、通常表示用ピクセルとプライバシー表示専用ピクセルを分離した構造によって実現される。プライバシー用ピクセルには、Color Filter on Encapsulation(CoE)構造の上部にブラックマトリクス(BM)層が追加されており、左右の視野角を制限する仕組みとなっている。通常モードでは両方のピクセルが同時に駆動され一般的な表示を行うが、プライバシーモードでは専用ピクセルのみが動作するため、正面からは視認できる一方で側面からは内容の判別が困難になる。

 

なお、ピクセル構造やブラックマトリクスの積層方式については、各パネルメーカーごとに設計の違いが存在すると見られている。

 

SigmaIntelは、この技術が今後フォルダブルスマートフォンにも拡大適用される可能性が高いと指摘している。フォルダブル機は大画面を活用したマルチタスク利用が多く、情報露出リスクが相対的に高いためである。ただし、フォルダブルへの展開にあたっては、プライバシーモード時の解像度低下や輝度低下、消費電力増加といった技術課題の解決が不可欠とされている。

 

SigmaIntelは、プライバシーモードは単なる付加機能ではなく、次世代スマートフォンにおけるディスプレイ差別化の中核技術になると強調しており、これらの技術的ハードルを克服できれば、従来型スマートフォンだけでなくフォルダブル製品においても重要な競争力となるとの見方を示している。