2026年1月21日
出典:韓国業界メディア
BOEで続く品質問題、iPhone向け有機EL生産が停滞
中国のディスプレイ大手BOEが、アップル向けiPhone用有機ELディスプレイの生産で2か月連続の支障に直面している。問題が解決しないまま時間が経過する中、数百万台規模のiPhone用有機ELディスプレイの供給がサムスンディスプレイへと切り替えられ、結果として同社が利益を得る構図となっている。
複数の業界関係者によると、BOEでは2025年11月から12月にかけて顕在化したiPhone向け有機ELの生産トラブルが、2026年1月時点でも解消されていない。特定の製造工程で問題が発生し、一部製品については生産を停止したとの見方も出ているが、BOEは依然として根本原因の特定に至っていないとされる。
レガシーモデルでも発生した異例の品質トラブル
2025年後半にBOEがアップルへ有機ELを供給していたiPhoneモデルは、iPhone13、14、15、16、17に加え、普及価格帯モデルのiPhone16eおよび17eであった。16eと17eについては、iPhone14向け有機ELディスプレイを流用する構成となっている。
今回品質問題が確認されたのは、比較的新しいレガシーモデルであるiPhone15および16向け有機EL、さらに2025年の新製品であるiPhone17向け有機ELである。iPhone15と16は、技術難易度が比較的低いLTPS(低温多結晶シリコン)有機ELを採用している一方、iPhone17はより高度なLTPO(低温多結晶酸化物)有機ELを用いている。
業界で特に注目されているのは、iPhone15および16向けのLTPS有機ELである。iPhone17向けLTPO有機ELは高い技術力が要求されるとしても、LTPS有機ELはBOEがこれまで安定的に供給してきた成熟世代の製品であるためだ。ある業界関係者は「BOEはiPhone15および16向け有機ELを安定供給してきただけに、今回の問題は業界内でも意外視されている」と語っている。
サムスンディスプレイが代替供給、勢力図に影響も
現在BOEは、2026年上半期に発売予定の普及モデルiPhone17e向け有機ELを安定供給するため、製造体制の立て直しを急いでいるとみられる。BOEはパネルメーカーの中で、iPhone17e向け有機ELの割当数量が最も多い企業であり、このモデルでの供給安定は今後の取引関係を左右する重要な要素となっている。
一方、BOEの生産停滞を受け、サムスンディスプレイは2025年12月から2026年1月にかけて、数百万台規模のiPhone用有機ELディスプレイを追加で引き受けたとされる。2024年におけるBOEのiPhone向け有機EL出荷量は約4,000万台と推定されており、月平均では約300万台に相当する。
業界関係者の間では、BOEの2025年通年のiPhone向け有機EL事業の実績が当初の期待を下回った可能性が高いとの見方も出ている。別の関係者は「2025年後半の生産支障により、BOEの年間iPhone向け有機EL出荷量は4,000万台に届かなかった可能性がある」と指摘している。
サムスンディスプレイはLGディスプレイよりもiPhone向け有機ELの生産能力が大きく、同時により多くのiPhoneモデル用パネルを製造できる体制を持つ。iPhone用有機EL市場における後発企業であるBOEは、これまで新製品よりもレガシーモデル中心の供給戦略を取ってきた。
なおアップルは、2025年のiPhone17シリーズから全4モデルすべてにLTPO有機ELを採用した。これに対し、2024年のiPhone16シリーズでは、プロおよびプロマックスの2モデルにLTPO有機ELを、一般モデルとプラスの2モデルにはLTPS有機ELを採用しており、世代交代に伴う技術要件の引き上げも、パネルメーカー各社にとって大きな課題となっている。