日付:2026年7月9日
出典:The Elec
■ 高リフレッシュレート有機ELがゲーム性能に与える影響を実証
LGディスプレイは、高リフレッシュレートの有機ELモニターが実際のゲームプレイ性能を向上させることを示す実験結果を国際学会で発表した。2026年7月9日に公開された論文「リフレッシュレートがFPSゲームのパフォーマンスに与える影響分析」では、ゲーミングモニターのリフレッシュレートとプレイヤーの操作精度・反応速度の相関関係が詳細に検証されている。
■ 480Hz環境でヒットスコア最大38%向上
今回の研究は、一般成人ゲーマー31人を対象にしたブラインドテスト形式で実施された。参加者は60Hz、240Hz、360Hz、480Hzという4つの異なるリフレッシュレート環境において、ランダムな順序でFPSゲームを体験した。
評価は定量・定性の両面から行われた。定量評価ではヒットスコア(命中数)とイベントインターバルタイム(ターゲット出現から排除までの時間)を測定し、定性評価では画面遷移の滑らかさ、ターゲット追跡の容易さ、全体的な満足度を5段階で評価した。
その結果、60Hzと比較して480Hz環境ではヒットスコアが最大38%向上することが確認された。また、すでに高性能とされる240Hzと比較しても、480Hzではさらに約10%の追加的な性能改善が見られた。高リフレッシュレート化により、動きの速いシーンにおける視認性が向上し、結果として反応速度と命中精度が改善されたと分析されている。
■ 入力遅延とモーションブラー低減が性能向上の鍵
LGディスプレイは、この性能向上が有機ELの物理的特性に起因すると説明している。リフレッシュレートが高まることで、入力信号が画面に反映されるまでの遅延、いわゆるインプットラグが低減されるとともに、高速で動く物体に発生するモーションブラー(残像)も大幅に抑えられるためである。
実験では、480Hz環境における入力遅延時間が60Hzと比較して10ミリ秒以上短縮されていることも確認された。これにより、プレイヤーはより素早く正確にターゲットを認識し、操作に反映できるようになる。
さらに定性評価においても、リフレッシュレートが高いほど画面の滑らかさが向上し、敵の追跡が容易になるとの評価が増加し、総合的な満足度も上昇した。
■ 720Hz有機EL開発を背景にゲーミング市場を強化
LGディスプレイは今回の研究成果を基に、高リフレッシュレート性能を強化したゲーミング有機EL製品の拡大を進める方針である。同社はすでに2026年5月、27インチで720Hz(DFR)に対応する有機ELパネルを開発しており、国際情報ディスプレイ学会において「今年のディスプレイ」を受賞している。
LGディスプレイの最高技術責任者(CTO)であるチェ・ヨンソクは、「27インチ720Hz DFR有機ELなどの商用化経験を基盤に、次世代ディスプレイの中核技術を先取りし、ゲーミングディスプレイ分野での技術競争力をさらに強化していく」と述べている。
今回の発表は、ゲーミング市場においてリフレッシュレートの重要性を科学的に裏付けるものであり、今後の高性能ディスプレイ開発の方向性にも大きな影響を与えるとみられている。