2026年7月6日
出典:The Elec
中国のゲーミングノートPC市場は縮小局面でも有機EL搭載機が大幅成長
中国のゲーミングノートPC市場は全体として停滞感を強めているものの、有機ELを採用したモデルだけは例外的に販売を大きく伸ばしている。市場調査会社シグマインテルによると、2026年1月から5月までの中国のゲーミングノートPCモデルのうち、有機ELパネルを搭載した製品の販売台数は前年同期比で507%増加した。有機ELモデルの構成比も、前年の2%から2026年には6%へと拡大しており、中国市場で有機ELゲーミングノートPCの存在感が急速に高まっていることが分かる。
一方で、中国のゲーミングノートPC市場全体は前年同期比で30%減少した。次世代GPUの不在に加え、値引き率の縮小も重なり、市場全体の販売環境は厳しさを増した。ただしそのような逆風のなかでも、有機ELモデルは高画質かつ高性能なディスプレイに対する需要を背景に成長を維持した。消費者の関心を集めたキーワードとしては、「OLED」「240Hz」「300Hz」が上位に入っており、高リフレッシュレートと高画質を両立するプレミアム仕様への注目が明確になっている。
レノボが有機ELゲーミングノートPC市場を主導、618商戦では上位ブランド集中が進行
有機ELゲーミングノートPC市場のブランド別シェアを見ると、レノボが59%で首位となり、中国市場で圧倒的な存在感を示した。これに続いたのはメックレボの17%、ASUS(ROGを含む)の13%であり、有機EL搭載機の販売は一部の主要ブランドに集中している構図が鮮明となっている。中国のゲーミングノートPC市場においては、単なる低価格競争よりも、画質や駆動性能を訴求できる高付加価値モデルが選ばれやすくなっていると解釈できる。
中国上半期の大型商戦である「618ショッピングフェスティバル」におけるノートPC全体のオンライン販売台数は161万4,000台となり、前年同期比で17%減少した。原価上昇などの影響で市場全体は縮小したが、その一方で需要は上位ブランドへ集中した。市場が弱含む局面では、消費者がブランド力、製品完成度、アフターサービスなどを重視しやすくなるため、強いブランドがさらにシェアを高める傾向が表れている。
超薄型ノートPC分野では、Appleの出荷台数が前年同期比58%増となった。MacBook Neo 13の価格引き下げと、AI統合エコシステムへの評価を追い風に、Appleは単一ブランドで25%のシェアを記録した。ノートPC市場全体で首位のレノボは32%のシェアを確保し、ゲーミング分野に限ると42%まで拡大した。中国のノートPC市場では、汎用モデルとゲーミングモデルの両面で主要ブランドへの集中が進みつつある。
世界のノートPCパネル市場でも有機EL拡大が加速、2030年には浸透率19%へ
有機ELノートPCパネルの成長は中国市場だけの現象ではない。世界の有機ELノートPCパネル出荷量は、2025年第1四半期の210万枚から2026年第1四半期には360万枚へと増加し、69%の成長を記録した。さらに2026年第2四半期には420万枚に達する見通しであり、ノートPC向け有機ELパネル市場は着実に拡大基調を強めている。
シグマインテルは、2030年の世界ノートPCパネル市場における有機ELの浸透率が19%に達すると予測している。特に15インチ以上の大画面ノートPCは、世界ノートPCパネル市場の50%を占める中核セグメントであり、ゲーミング用途とコンテンツ制作用途の需要が集中している。このため、色再現性、応答速度、コントラスト性能に優れる有機ELの採用余地は今後さらに拡大する可能性が高い。
シグマインテルは、今回の618ショッピングフェスティバルの結果について、世界ノートPC市場の下半期トレンドを占う指標になると評価している。そのうえで、有機ELゲーミングノートPCの成長ポテンシャルがすでに可視化され始めていると分析した。中国市場の販売動向と世界のパネル出荷拡大を合わせて見ると、ノートPC分野における有機ELシフトは一時的な話題ではなく、中長期的な製品戦略の中心テーマになりつつある。