2026年1月27日 / 出典:THE ELEC(米国特許審判所・テキサス東部連邦地方裁判所資料)
米国特許2件のうち1件が無効化、賠償額減額の可能性が浮上
サムスン電子が特許管理専門会社(NPE)に対し約2800億ウォンを賠償すべきとされた米国の陪審評決を巡り、その根拠となっていた特許2件のうち1件が無効と判断された。これにより、サムスン電子は損害賠償額の減額を求める可能性が高まっている。
業界関係者によると、米国特許審判所(PTAB)は現地時間1月22日、アイルランドを拠点とするNPE「ピクティバ・ディスプレイ(Pictiva Display)」が保有する米国特許3件(特許番号8723164、8558223、11828425)を無効と判断した。いずれも有機ELに関連する特許である。
サムスンディスプレイが無効審判を請求、特許紛争の火種を一掃狙う
今回の無効審判は、サムスンディスプレイが請求したものだ。サムスンディスプレイは2024年から2025年にかけて、ピクティバがサムスン電子による侵害を主張した特許7件すべてに対し、段階的に無効審判を申し立ててきた。ピクティバは訴訟の過程で一部の侵害主張を撤回したが、サムスンディスプレイは将来的な紛争リスクを完全に排除するため、7件すべてについて無効審判を請求したとみられる。
今回無効と判断された3件の特許のうち、特許番号11828425は、2025年11月に米国テキサス東部連邦地方裁判所(民事訴訟の第一審)で、サムスン電子が侵害したと認定された特許2件(8314547および11828425)のうちの1件である。当時、陪審団はこれら2件の特許侵害を理由に、サムスン電子がピクティバに対して1億9140万ドル(約2800億ウォン)を支払うべきだとの評決を下していた。
残る1件の特許は有効、今後も主要な争点に
サムスン電子は、第一審で侵害と判断された2件のうち1件、いわゆる「425特許」が無効となった点を、連邦巡回控訴裁判所(CAFC)で強調するとみられる。仮に残る「547特許」の侵害判断が覆らなかった場合でも、賠償額の減額は十分に見込めるという見方が強い。
一方で、「547特許」に対して請求された無効審判はすべて棄却された。特許審判所は2024年11月に当該特許の当事者系レビュー(IPR)請求を却下しており、さらに2026年1月初旬には、別の無効手続きである決定系再審査(EPR)請求も米国特許商標庁により棄却されている。これにより「547特許」は有効性を維持しており、今後の特許訴訟において中心的な争点となる見通しだ。
ピクティバが侵害製品として名指ししたのは、有機ELを採用したサムスン電子のGalaxyシリーズのスマートフォン、タブレット、ノートPC、ウェアラブル機器、さらにQD-OLEDテレビなどである。これらに搭載される有機ELパネルの多くは、サムスンディスプレイが供給している。
2025年11月、テキサス東部連邦地方裁判所の陪審評決を受け、ピクティバは声明で「自社特許の強固さが証明された」と主張した。これに対しサムスン電子は当時、「陪審評決を不服として控訴する計画だ」と公式に表明している。
今回の特許無効判断により、サムスン電子とサムスンディスプレイは、有機ELを巡る長期的な特許リスクの一部を軽減することに成功した形だ。一方で、依然として有効とされた特許を巡る法的攻防は続く見通しであり、NPEとの特許訴訟がディスプレイ業界全体に与える影響も引き続き注視されている。