ミラーレス自動車用のディスプレイに、有機ELディスプレイが採用される

2016年11月16日　UBIリサーチ

韓国で「自動車及び自動車部品の性能と基準に関する規則」の一部が改正され、サイドミラーがない」ミラーレス車への関心が高まっている。自動車の前・後方と両側フロントドアに超小型カメラを装着して、車内で表示画面を介して視界を確保できるので、従来のサイドミラーの問題点であった死角領域問題が解決されて、燃費とデザインの改善も期待される。

これにより、ミラーレス（Mirror-less）自動車用ディスプレイが新たな市場として注目されている。自動車用ディスプレイの分野では、モバイルやTVに比べて、より多くの顧客対応が必要であり、高付加価値の創出が期待される産業である。これにはLG ディスプレイやSDCのパネルメーカーが市場攻略のための製品を開発中であり、特に両社のすべてフレキシブル有機ELパネルを中心に、日本・台湾メーカーとは別の差別化戦略を展開する方針を立てている。

フレキシブル有機ELパネルは、薄くて軽い特性と曲げることができる性質で、実装の面で自由に新しいデザインが要求されるミラーレス自動車に有利である。また、LCDに比べて高いコントラスト比と速い反応速度、広い視野角で高い視認性を実現することができており、自動車のディスプレイに適していると評価されている。2015年7月には、自動車部品サプライヤーのContinental corporationは、自社のホームページで、2枚のOLEDが適用されたミラーレス車のいくつかの利点を紹介して、天気が暗い状況や雨天時にも、より良い視界の提供が可能であると明らかにした。また、Alfred Eckert、将来開発部統括担当は「まぶしさや弱い光による影響も解決することができるだろう」と述べたりもした。

<2枚のOLEDパネルに適用されたミラーレスコンセプトカー、ソース：www.continental-corporation.com>

最近、サムスン電子は米国の自動車電装企業Harmanを買収して自動車電装事業を本格的に推進しており、業界では、サムスン電子の有機ELと半導体などが事業参入に大きなシナジー効果を出すものと見ている。また、LG ディスプレイは、2018年には有機ELディスプレイの車両用ディスプレイで世界市場のシェア30％を確保して、売上高2兆ウォンを達成するという目標を明らかにした。

このように、電子/ディスプレイ業界で競争産業分野での事業拡大に有機ELディスプレイが重要な役割をすると予想され、ディスプレイ産業の成長に新たな原動力になることができると期待される。