アップル、iMac向け有機EL開発プロジェクトを始動


記事日付:2025年12月17日

出典:韓国業界紙

 

アップル、iMac用有機ELの検討を本格化

アップルがiMac(モニター)向けの有機ELディスプレイ開発プロジェクトを開始したことが明らかになった。業界関係者によると、アップルはサムスンディスプレイおよびLGディスプレイに対し、iMac用有機EL開発に関するRFI(Request For Information:情報提供依頼)を送付したという。RFIは、製品仕様が確定した後にセットメーカーが部品メーカーへ見積依頼書(RFQ)を送る前段階でやり取りされる文書であり、この段階では製品開発に必要な技術情報の照会が行われる。現時点では、iMac用有機ELの最終仕様はまだ確定していない。

 

想定されるiMac有機ELの仕様と現行モデルとの比較

アップルが最近提示したiMac有機ELの想定仕様としては、24インチ、輝度600nit、画素密度218PPI(Pixels Per Inch)などが挙げられている。現在販売されている液晶ディスプレイ(LCD)方式のiMacは、主な仕様として輝度500nit、218PPIとなっており、有機EL化によって主に輝度面での性能向上が期待されている。

 

サムスンディスプレイとLGディスプレイの技術戦略

両パネルメーカーは、精密金属マスク(FMM)を使用しない大型有機EL技術によって、iMac用有機ELの開発に対応する方針とみられている。サムスンディスプレイは量子ドット(QD)-OLED、LGディスプレイはホワイト(W)-OLEDを、それぞれ自社の大型有機EL技術として展開している。QD-OLEDは青色発光源の光を量子ドットの色変換層に通すことで色を生成し、W-OLEDは白色発光源をRGBWカラーフィルターに通すことで色を表現する方式である。

 

一方で、アップルはRGBサブピクセル単位で直接光と色を生成するRGB OLED方式を好むとされてきた。しかし、20〜30インチ級ディスプレイを安定的に量産できるRGB OLED技術は、現時点では確立されていない。現在、FMMを用いたRGB OLEDは、主に6〜7インチ前後のスマートフォン用有機ELや、10インチ前後のタブレット・ノートPC向け有機ELに適用されている。

 

5スタック化と発光方式の進化

サムスンディスプレイは、QD-OLEDラインアップの中でも5スタック構造の製品で、iMac用有機ELにまず対応する可能性が高いとみられている。同社は今年から、従来の4スタック(B-B-G-B)QD-OLEDに加え、5スタック(B-B-G-B-G)QD-OLEDの量産を開始しており、緑色(G)発光層を追加することで、輝度面での優位性を高めている。

 

LGディスプレイも、今年から量産中の4スタック(B-G-B-R)W-OLEDに代えて、5スタック(B-G-B-R-G)W-OLEDでiMac用有機ELに対応する可能性が高い。開発が検討されている5スタックW-OLEDも、緑色層を追加することで、従来の4スタック製品より輝度を向上させることができるとされる。

 

さらにLGディスプレイは、現在背面発光方式であるW-OLEDを、前面発光方式へ転換する案も検討していたと伝えられている。現行のW-OLEDは、光が薄膜トランジスタ(TFT)側へ放射される背面発光構造であるため、開口率(画素内で実際に発光する面積の割合)に弱点がある。一方、サムスンディスプレイのQD-OLEDは、光がTFTと反対方向へ出る前面発光方式を採用している。

 

中長期視点でのRGB OLEDと量産計画

両パネルメーカーは、当面は大型有機EL技術によってiMac有機ELに対応しつつも、長期的にはRGB OLED方式での対応も検討しているとされる。サムスンディスプレイは、来年から量産稼働するIT向け第8世代有機ELラインを保有しており、ここでは14インチおよび16インチのMacBook向け有機ELを量産する予定である。ただし、24インチのiMac有機ELはこれらよりもサイズが大きいため、さらなる技術開発が必要になる。

 

LGディスプレイは、FMMを使用しない、いわゆる「eLeap(eリープ)」技術のテストを進めている段階にあるが、量産性が検証された技術にはまだ至っていない。サムスンディスプレイも、アプライド マテリアルズ(AMAT)のeLeap方式による有機EL蒸着・パターニング製造装置を、研究開発用途として導入した実績がある。

 

アップルは、2027〜2028年までにiMac用有機ELパネルの開発を完了する計画とされているが、完成品としてのiMac有機ELモデルの発売時期は、それより後になる見通しである。