BOE、W-OLEDパネルを初供給へ―最初の顧客はASUS


日付:2026年5月12日

出典:韓国電子新聞(ETNews)

 

BOE、モニター用有機EL市場に初参入

中国のBOEが、2026年中に台湾のASUS向けにモニター用のホワイト(W)有機EL(OLED)パネルを供給する見通しとなった。これまでモニター向け有機EL市場は韓国メーカーが事実上独占してきたが、中国メーカーが初めて参入する事例として注目されている。

 

業界関係者によると、BOEは今年、ASUSに対して24.5インチのW-OLEDパネルを供給する計画である。ASUSはモニター用有機ELパネルの供給先を模索する中でBOEを選定したとされる。供給は安徽省合肥にある第8.5世代のパイロットラインで生産される予定であり、出荷数量は非常に限定的になる見込みだ。

 

BOEがW-OLEDパネルを量産製品として顧客に供給するのは今回が初めてであり、これまで韓国企業の専有領域であったモニター用有機EL市場において、中国企業の本格参入の第一歩となる。

 

大型有機ELの2大技術:QD-OLEDとW-OLED

大型有機EL技術は大きく分けて、QD-OLEDとW-OLEDの2種類に分類される。スマートフォンなどの中小型有機ELがファインメタルマスク(FMM)蒸着方式で色を形成するのに対し、大型有機ELはオープンマスクベースのディスプレイ構造を採用している点が特徴である。

 

両者は色の再現方式において大きく異なる。QD-OLEDは青色有機ELを発光源とし、その上に量子ドット層をインクジェット方式で形成することで色を生成する。一方、W-OLEDは白色有機ELをベースとし、その上にカラーフィルターを組み合わせる構造となっている。

 

LGディスプレイ 4スタックタンデム構造のW-OLED。〈写真 LGディスプレイ公式サイト〉
LGディスプレイ 4スタックタンデム構造のW-OLED。〈写真 LGディスプレイ公式サイト〉

 

韓国勢優位は当面継続、BOEは試験段階

もっとも、BOEの生産体制は依然としてパイロットライン段階にとどまっている。また、サムスンディスプレイおよびLGディスプレイが2026年にモニター用有機ELの出荷量を拡大する計画であることから、当面は韓国メーカーの優位が続くとみられている。

 

市場調査会社トレンドフォースによると、2025年時点でモニター市場における有機ELの浸透率は約2%にとどまる。メーカー別シェアでは、QD-OLEDを展開するサムスンディスプレイが73%、W-OLEDを展開するLGディスプレイが26%を占め、実質的に韓国企業が市場を独占している状況である。

 

こうした中で、BOEの今回の参入は規模こそ小さいものの、今後の競争構造に変化をもたらす可能性がある第一歩として位置づけられる。