LG電子、サムスンディスプレイに接近…モニター向けQD-OLEDを初採用


2026年4月9日/出典:韓国メディア

 

LG電子、初めてサムスンディスプレイ製QD-OLEDを採用へ

 

LG電子は、プレミアムゲーミングモニターにサムスンディスプレイのQD-OLEDパネルを初めて採用する方針を固めた。これにより、これまで主に自社グループのパネルを使用してきた同社の戦略に変化が見られる。

 

業界関係者によると、LG電子はサムスンディスプレイからQD-OLEDパネルの供給を受け、2026年下半期に新型ゲーミングモニターを発売する計画である。27インチおよび32インチなど複数サイズが検討されており、初年度の調達量は約1万台規模と見られている。

 

技術要件と供給制約が背景に

 

LG電子がサムスンディスプレイを採用した背景には、主に技術的な理由がある。特に27インチモデルでは約160PPIという高い画素密度が求められていたが、LGディスプレイのWOLEDではこの仕様を満たすことが難しかったとされる。専門家によれば、WOLEDはバックエミッション構造のため、高密度画素の実現に一定の制約があるという。

 

さらに、LGディスプレイがサムスン電子向けテレビ用WOLEDパネルの供給拡大に注力している点も影響している。サムスン電子はフラッグシップテレビの一部にQD-OLEDを採用しているが、主力ラインアップではWOLEDの比率を高めている。そのためLGディスプレイは外部顧客向け供給で手一杯となり、LG電子向けモニター用パネルに十分なリソースを割きにくい状況にある。

 

(写真)LG電子のゲーミングモニター「LGウルトラギアOLED」。現在はLGディスプレイのWOLEDパネルを搭載しているが、2026年下半期から一部モデルにサムスンディスプレイのQD-OLEDが採用される予定。
(写真)LG電子のゲーミングモニター「LGウルトラギアOLED」。現在はLGディスプレイのWOLEDパネルを搭載しているが、2026年下半期から一部モデルにサムスンディスプレイのQD-OLEDが採用される予定。

 

サムスンとLGの「クロス調達」が常態化へ

 

こうした状況の中、ディスプレイ業界では興味深い構図が生まれている。すなわち、サムスン電子のテレビにはLGディスプレイのWOLEDが採用され、一方でLG電子のモニターにはサムスンディスプレイのQD-OLEDが搭載されるという「クロス調達」が進んでいる。

 

かつては競合関係にあった両グループ間でこのような相互調達が行われるのは異例であるが、現在では徐々に一般化しつつある。その背景には、中国勢の台頭がある。液晶ディスプレイ市場を中国企業に奪われた後、韓国メーカーは有機EL分野に経営資源を集中させており、競争よりも生存戦略が優先される状況に変化している。

 

サムスンディスプレイのQD-OLED事業は急速に拡大しており、2026年3月にはモニター向け累計出荷500万台を突破した。2021年末の量産開始以降、年平均320%を超える成長を維持している。主な顧客にはサムスン電子のオデッセイシリーズやデル、HPなどが含まれ、今回新たにLG電子も加わることになる。

 

QD-OLEDとWOLEDの技術比較と市場展望

 

QD-OLEDとWOLEDはいずれも有機EL技術に属するが、色再現方式やコスト構造に違いがある。QD-OLEDはブルー有機ELと量子ドットを組み合わせて色を生成するのに対し、WOLEDは白色有機ELにカラーフィルターを組み合わせる構造を採用している。一般的にQD-OLEDは色再現性に優れ、WOLEDは大面積量産やコスト面で優位とされる。

 

サムスンディスプレイの大型事業部長ソン・ドンイル副社長は、QD-OLEDの急成長について「卓越した画質と品質競争力、安定した生産能力に起因する」と述べ、今後も市場ニーズに密着した差別化製品でモニター市場の技術転換を主導していく考えを示した。

 

業界によれば、年間の世界モニター市場規模は約1億3000万台に達する。一方、2025年のOLEDモニター出荷は約274万台で前年比92%増と急成長しているが、市場浸透率は依然として2%台にとどまる。今後も高い成長余地があると見られている。

 

また、IT用途の有機ELはテレビ用途を上回る成長を見せている。単身世帯の増加やリモートワークの普及を背景に、30〜40代を中心としてゲーミングなどプレミアムモニター需要が急速に拡大していることが、その主な要因である。