Huawei、AIグラスを発売 Metaが市場を先行する中、サムスンとAppleも2026~2027年の参入を視野


日付:2026年4月24日

出典:Trend Force

 

AIグラス市場が次世代ウェアラブルとして急拡大

AIグラスは、次世代のウェアラブル端末として急速に存在感を高めている。朝鮮日報によると、Huaweiはこのほど、自社開発のAIチップを搭載した「Huawei AI Glasses」を発表した。ユーザーはフレーム部分のタッチ操作によって、音声翻訳や音楽ストリーミングなどの機能を利用できる。さらに、この製品はマルチモーダル機能にも対応しており、たとえば内蔵カメラで料理の写真を撮影すると、AIが栄養情報を分析することも可能だという。販売価格は2,499元からとなっている。

 

AIグラス市場が注目を集める背景には、スマートフォンに次ぐ新たな情報端末としての期待がある。音声操作、リアルタイム翻訳、カメラ連動のAI認識、通知確認、音楽再生などを一体化できることから、日常生活やビジネスの両面で利用シーンが広がりつつある。Huaweiの新製品は、こうした流れの中で、中国市場におけるAIグラス競争をさらに加速させる存在になりそうだ。

 

中国ではMeta不在の隙を狙い、地場企業が攻勢

朝鮮日報によれば、世界のAIグラス市場は現在Metaが主導している。一方で、中国ではMetaのAIグラスが正式には販売されていないため、その空白を埋める形で中国企業が相次いで参入している。Alibabaは「Quark」AIグラスを投入し、国内需要の取り込みを進めている。

 

さらに、中国メディアのTimes Weeklyによると、いわゆる中国ARグラス新興4社であるRayNeo、XREAL、Rokid、INMOは、いずれも今年に入って新製品を発表している。中でもXREALは、最近になって香港上場を申請したと報じられており、AIグラスおよびARグラス分野の成長期待の高さを示している。中国市場では、海外大手が不在の領域を地場メーカーが積極的に開拓しており、製品投入のスピードと多様性の面で非常に活発な状況が続いている。

 

ただし、新製品ラッシュの一方で、すべての企業が拡大一辺倒というわけではない。Times Weeklyが関係者情報として伝えたところによると、vivoは約半年間にわたって準備を進めていた自社開発のAIスマートグラス計画を今年初めに停止したという。その直後には、ByteDanceも「Doubao」AIグラスの第1世代製品ラインをいったん見合わせたと報じられた。市場への期待は高いものの、製品完成度や収益性、差別化戦略といった課題に対して、各社が慎重な判断を迫られていることがうかがえる。

 

AppleもAIグラス市場への参入を本格検討

最近では、AppleもAIグラス市場への参入方針を示し始めた。MacRumorsがBloombergの報道を引用して伝えたところによると、Appleは初のスマートグラスを2026年後半から2027年初めにかけて投入することを目標としており、これによって新たな製品カテゴリーへ本格進出する構えだという。

 

報道によれば、このApple製スマートグラスには写真や動画を撮影するための内蔵カメラが搭載される見通しだ。加えて、スピーカーやマイクも備え、音楽再生、通話、Siriを通じた通知受信などに対応することが想定されている。Appleは、iPhoneとの緊密な連携と高級感のあるハードウェア品質によって、他社製品との差別化を図る考えとされる。すでにAppleは、ハードウェアとソフトウェア、サービスの統合設計に強みを持っており、そのエコシステムをAIグラスにも拡張することで、既存ユーザーの囲い込みと新市場の開拓を狙う可能性が高い。

 

AIグラス分野では、単なるガジェットとしての機能だけでなく、どのプラットフォームと深く結びつくかが重要になる。Appleが参入すれば、iPhone、AirPods、Apple Watchなどとの連携を前提とした新しい体験設計が注目されることになり、市場全体の競争軸にも影響を与える可能性がある。

 

サムスン電子は2025年にスマートグラス、翌年にAR対応モデルも計画

一方、韓国のソウル経済新聞によると、サムスン電子は早ければ7月にも、仮称「Galaxy Glasses」と呼ばれる初のスマートグラスを公開する見通しだ。この端末にはGoogleのAIモデル「Gemini」が搭載され、世界的なアイウェアブランドであるGentle Monsterのデザイン要素も取り入れられる予定とされている。

 

第3四半期に登場が見込まれる初代Galaxy Glassesは、スピーカー、マイク、高解像度カメラを備える一方で、ディスプレイは搭載しない仕様になるという。つまり、まずは音声アシスタントや撮影、通話、通知確認といった実用機能を中心に展開し、装着性やデザイン性も重視したスマートグラスとして市場に投入される可能性が高い。

 

さらにソウル経済新聞は、サムスン電子が来年、拡張現実に対応するディスプレイ搭載版も投入する計画だと伝えている。これが実現すれば、サムスン電子はまず軽量で日常使いしやすいスマートグラスを先行投入し、その後にAR体験を強化した上位モデルへと広げる二段階戦略を進めることになる。Metaが先行し、中国勢が一斉に攻勢をかけ、Huaweiが新製品を発売し、さらにAppleとサムスン電子が本格参入を視野に入れることで、AIグラス市場は2026年から2027年にかけて世界的な競争局面へ入っていく公算が大きい。今後は、AI性能、装着感、デザイン、エコシステム連携、価格設定のすべてが、市場シェアを左右する重要な要素になりそうだ。