ビアトロン、中国Visionoxの第8.6世代有機EL生産ライン向けに熱処理製造装置2種を供給


日付:2026年4月17日

出典:Et News

 

韓国の有機EL熱処理製造装置メーカーであるビアトロンが、中国ディスプレイパネルメーカーのVisionoxが構築を進めている第8.6世代有機EL生産ライン向けに、2種類の製造装置を供給することになった。今回の案件は、中国のIT用有機EL投資と製造装置調達の流れを示す事例として注目される。

 

中国Visionoxの第8.6世代有機ELライン向け受注の概要

19日、中国国内のディスプレイ入札情報を公開するチャイナビディングによると、ビアトロンはVisionoxから第8.6世代向けポリイミド(PI)硬化製造装置とファーネス(アニールオーブン)製造装置の供給事業において、単独入札者に選定された。一般的に、単独入札者として公告される場合は、事実上の供給先として確定したと受け止められるケースが多く、市場の関心を集めている。

 

対象となるのは、Visionoxが中国安徽省合肥市に建設している第8.6世代(2290mm×2620mm)ラインだ。この工場は、ガラス原板ベースで月産3万2000枚規模のIT用有機EL工場として整備が進められている。ノートPC、タブレット、モニターなどの中大型IT機器向け有機EL需要の拡大を見据えた投資として、今後の量産体制にも影響を与える案件とみられる。

 

ビアトロンPI硬化製造装置。〈写真 ビアトロン公式サイト〉
ビアトロンPI硬化製造装置。〈写真 ビアトロン公式サイト〉

 

ビアトロンにとって初のVisionox向け案件

ビアトロンがVisionoxを顧客として製造装置事業を受注したのは、今回が初めてとされる。ディスプレイ向け熱処理製造装置は一般に、ファーネス、PI硬化製造装置、低温フラットオーブンの3種類が代表的な装置群として挙げられる。このうちビアトロンは2種類の装置納入企業に選ばれたことで、顧客基盤の拡大を実現したことになる。残る1種類の製造装置は、ハンファモメンタムが担当する。

 

今回の採用は、ビアトロンにとって単なる単発受注ではなく、中国の大型有機EL投資案件に自社製造装置が本格的に入り込む足掛かりという意味合いも持つ。第8.6世代ラインは、スマートフォン向け中心だった従来の有機EL投資とは異なり、IT製品向けの大型基板対応が重要になるため、関連製造装置メーカーにとっても技術力と供給実績を示す重要な案件になる。

 

PI硬化製造装置とファーネス製造装置の役割

PI硬化製造装置は、フレキシブル有機ELのPI基板を製造する際に、液状PIワニスを熱処理によって硬化させるディスプレイ工程用製造装置だ。フレキシブル有機ELでは基板の品質が後工程の安定性や歩留まりに直結するため、PI硬化工程は重要な基盤技術の一つといえる。

 

一方、ファーネスは、薄膜トランジスタ(TFT)工程で材料を加熱して硬化させ、電気的特性と光学的特性を高めるために用いられる製造装置である。TFT工程の品質はディスプレイの表示性能や安定動作に深く関わるため、ファーネス製造装置の性能は中大型有機ELライン全体の競争力にも影響する。今回ビアトロンがこの2分野で採用されたことは、同社の熱処理製造装置技術がVisionoxの第8.6世代投資において一定の評価を受けたことを意味している。