BOE子会社BMVTが「マイクロOLEDプロジェクト」向けOLED蒸着装置をSunic Systemから購入


2025年5月22日  Wit Display

 

5月22日の報道によると、韓国の装置メーカーであるSunic Systemが、中国の京東方(BOE)の子会社からOLED蒸着装置の受注を獲得し、現地市場でのシェアを拡大させた。また、昨年には京東方の8.6世代OLED蒸着装置の供給業者にも選定されている。

 

業界関係者によれば、Sunic Systemは先月23日、京東方の子会社である長遠科技(BMVT)から「マイクロOLEDプロジェクト」用蒸着装置の最終的な受注業者に選ばれた。具体的な受注金額は明らかにされていないが、装置の納入時期は年末になる見通しである。

 

マイクロOLEDとは、シリコンウエハー上に有機材料を蒸着して作るディスプレイであり、「OLED on Silicon」とも呼ばれている。従来のガラス基板ディスプレイと比較して高解像度の実現が容易で、輝度の向上も可能であるため、拡張現実(XR)機器やスマートグラスなど小型高性能ディスプレイに非常に適している。

 

京東方のマイクロOLED事業は子会社が運営しており、今回Sunic Systemが受注したBMVTは2022年に設立された、マイクロOLEDや仮想現実(VR)ディスプレイなど高解像度製品の製造を専門とする子会社である。

 

また、Sunic Systemは2020年にも京東方の別の子会社である雲南創視界光電科技有限公司(BMOT)に蒸着装置を提供している。BMOTは2017年に設立され、京東方における初期のOLED量産を担っており、現在は12インチのマイクロOLEDの量産を開始している。

 

ある業界関係者は、「これまで中国のディスプレイ業界はLCDやOLEDへの広範な投資が続いていたが、最近ではOLED on Siliconのような先端技術への転換が進んでいる」と述べた上で、「地方政府主導のもと、OLED専門の子会社を設立し、異なる子会社を通じて技術と投資を分配するモデルが常態化しつつある」と付け加えた。

 

現在、Sunic Systemは京東方が構築中の8.6世代OLED生産ライン向けに蒸着装置を供給している。京東方の8.6世代ガラス基板(2290㎜×2620㎜)を用いたOLEDパネルの生産拠点では、月産3万2,000枚を見込んでいる。Sunic Systemは昨年6月にすでに2台の蒸着装置の注文を受けており、残り2台の注文も年内に発注される見通しである。この進展によって、Sunic Systemの中国市場における地位はさらに強固なものとなっている。