2025年5月26日 ET News
Sunik Systemsが中国へ、次世代ディスプレイとして注目されるOLEDoS(OLED on Silicon)用蒸着装置を輸出する。拡張現実(XR)市場を攻略しようとする中国企業が、Sunikから主要設備を相次いで受注している。
Sunik Systemsは、中国最大のディスプレイメーカーBOEの子会社であるChuangyuanと、量産用OLEDoS蒸着装置の供給契約を締結したと26日に発表した。受注金額は2500万ドル(約344億ウォン)で、契約期間は2026年1月25日までだ。
蒸着装置は画素を形成する装置である。Sunikが供給するのは、12インチ(300mm)サイズの半導体シリコン基板にマイクロOLEDを蒸着する技術だ。OLEDoSはガラス基板の代わりにシリコンウェハー上に有機物を蒸着して作られる。マイクロOLEDの一種で、小型でありながら高解像度を実現できるため、XR機器向けのディスプレイとして注目を集めている。
ChuangyuanはSunikの装置で白色(W)OLEDoSを製造するとされている。これは白色光源にカラーフィルターを通して色を表現する技術だ。昨年発売されたApple Vision Proにはソニーの白色OLEDoSが採用されており、サムスン電子もGoogle、Qualcommと協力して今年発表する「Project Infinity」にソニー製品を適用する予定だ。
業界では、中国企業がXRの大量生産拡大に備え、先制的に設備を確保していると評価している。Huawei、Lenovoなどの中国企業はOLEDoSパネルを採用したXR機器を発売しており、Metaのようなグローバル企業もOLEDoSの適用に向けて中国パネル企業と具体的な協議を進めているとされている。
Sunikもこれに伴い、OLEDoS装置の供給が増加している。今回のChuangyuanに先立ち、別の中国ディスプレイ企業であるBMOTとXitai TechnologyにOLEDoS量産設備を供給したことがある。
OLEDoSはシリコン基板ベースの半導体プロセスとOLED技術を組み合わせて製造するため、製造難易度が高い技術だが、Sunik Systemsが連続で受注したことは、その信頼性が認められたと評価される。
中国企業が積極的にOLEDoS投資に乗り出しているため、量産性が検証されたSunik Systemsの蒸着装置の追加発注も予想される。