2025年6月5日 Wit Display
中国の8.6世代OLED De-mura装置、国内大手パネルメーカーへ出荷
6月4日の情報筋「凱倫股份」によると、最近、同社傘下の蘇州佳智彩光電科技有限公司(以下「佳智彩」)が独自に研究開発・製造した国内初の8.6世代OLED De-mura装置が、国内の大手パネルメーカーに出荷された。
この動きは、国産のハイエンドディスプレイ検査装置がOLED製造の中核工程で実質的なブレークスルーを達成し、中国の新型ディスプレイ産業チェーンにおける自給自足能力を大幅に向上させたことを示す。
De-mura技術と佳智彩の成果
De-mura(Mura欠陥修復)は、OLEDパネル生産における重要な工程である。高精度な光学検査システムでパネルの輝度と色度の不均一性を識別し、精密な補正アルゴリズムを用いて修復することで、ディスプレイの均一性と画質を大幅に向上させる。
報道によると、ハイエンドディスプレイパネル生産の中核工程設備に特化したハイテク企業である佳智彩は、深い技術蓄積を基盤として、超大型・高解像度OLEDパネルの高速高精度検査、複雑なMura欠陥の自動分類、超精密補正データの生成と書き込みなどの核心技術を克服することに成功した。今回出荷された8.6世代OLED De-mura装置は、佳智彩が完全に独自設計・開発し、知的財産権を保有しており、主要な技術指標は国内の先進レベルに達している。
戦略的な意義と今後の展望
今回の装置の出荷先は、国内を代表するパネル製造大手企業であり、その要求は装置性能、安定性、歩留まり向上効果において極めて厳格だ。8.6世代ラインは、現在世界で2番目、国内では初のOLEDパネル製造世代ラインであり、主にタブレット、ノートパソコン、一部のテレビアプリケーションを対象としている。次世代ディスプレイ技術の優位性を確保する上で極めて重要である。佳智彩の装置がこの顧客の量産ラインに正常に導入されたことは、佳智彩の発展における重要なマイルストーンとなる。