韓国のFineOne、オープンメタルマスク(OMM)の競合他社に対する価格競争力


2025年5月23日  The Elec

 

コスダック上場を推進中のFineOneが、競合他社に対する価格競争力を強調した。ただし、生産能力が不足しており、売上原価に占める外注加工費の割合が70%に達している点は、上場の成功を妨げる要因になる見通しである。

 

FineOneの主力製品は、有機EL(OLED)用オープンメタルマスク(OMM)である。主な顧客はLGディスプレイ、CSOT、Visionoxなどであり、競合にはPoongwon Precision、Sewoo Incorporation、PIMSなどが挙げられる。

 

FineOneは先月公開した証券申告書において、OMMの製造原価を競合他社より20%低く抑えることが可能だと主張した。その根拠は「全工程の内製化」である。

 

FineOneは「OMMにはマスクフレーム、マスクシート、そしてシートとフレームを張って溶接するアセンブリなどの製造工程が必要だ」とし、「当社はそれぞれの工程を内製化しており、競合よりもOMMの製造単価を80%水準に抑えることができる」と説明した。

 

また技術力もアピールした。FineOneは「製品群はマスクとマスクフレームから構成されるマスクアセンブリ群と、マグネットプレートや冷却プレートなど蒸着加工用部品群で構成されている」と述べ、「個別部品を供給できる業者は複数存在するが、大半は単純な加工レベルにとどまっており、当社は競合と差別化された技術的競争力を持っている」と自評した。

 

FineOneは証券申告書に掲載した「主要競合企業比較状況」の表で、競合他社との主力製品および技術群を比較している。企業名は明記されていないが、A社はPoongwon Precision、B社はSewoo Incorporation、C社はPIMSを指している。