日付:2025年10月8日 出典:52RD
2026年に登場予定の折りたたみiPhone、初期供給はサムスンディスプレイが独占
サプライチェーンの情報筋によると、Appleが2026年に初の折りたたみiPhoneを発売する計画を進めており、その有機ELディスプレイはサムスンディスプレイ(Samsung Display)によって独占供給されるという。
この情報は10月7日に台湾のDigitimesが発信したもので、複数のテクノロジーメディアおよび市場調査機関Counterpointもこれを裏付けている。
Appleの新型折りたたみiPhoneは、7.6インチの内折り式デザインを採用する見込みで、同社としては初の可動式構造を持つスマートフォンとなる。
サムスン、A4生産ラインを拡張し月産3万枚体制へ
報道によれば、サムスンディスプレイはこの折りたたみiPhoneの有機ELパネルを独占供給する契約をすでに獲得しており、この受注量は同社の折りたたみパネル出荷量の約40%を占める見込みである。
これにより、サムスンはフレキシブルディスプレイ技術分野での世界的リーダーシップをさらに強固なものにする。
同社はApple向けの安定供給を確保するため、A4生産ラインの拡張を進めており、2026年第2四半期までに月産3万枚の生産能力を達成することを目標としている。さらに、折りたたみiPhone向け有機ELパネルの量産は2026年中頃に開始される予定で、Appleが毎年秋に新iPhoneを発表するスケジュールと一致する。初期出荷台数は600万〜800万台と見積もられている。
低消費電力化と高輝度化を実現する新技術を採用
この折りたたみiPhone向け有機ELディスプレイには、2つの主要技術が搭載される。
まず、低温多結晶酸化物(LTPO)薄膜トランジスタ技術により、リフレッシュレートを動的に制御して電力消費を大幅に削減する。次に、偏光板を排除したカラー・オン・エンキャップ(CoE)技術が採用され、従来の偏光層を取り除くことで画面の明るさとエネルギー効率を向上させる。
ただし、サムスンが当初の供給を独占するものの、アナリストはAppleが将来的にLGディスプレイなどを第2サプライヤーとして導入する可能性が高いと指摘している。これは、供給リスクの分散とコスト最適化を狙った戦略的判断とみられる。