Wit Display|2025年9月1日
サムスン電子は、2026年上半期に投入予定のフラッグシップモデル「Galaxy S26 Ultra」において、新たにAIベースのプライバシー保護機能を備えたOLEDディスプレイを採用する見通しだ。
ITメディア「SamMobile」が8月29日に報じたところによると、このディスプレイはサムスンディスプレイが開発した「Flex Magic Pixel」技術を基盤としており、すでにMWCやK-Display 2025といった大型展示会で披露され、量産も始まっている。
Flex Magic Pixelは、AIアルゴリズムを用いてOLEDパネル上の個々のピクセルを精密に制御する技術である。アプリケーションの種類や表示される情報の機密性に応じて、自動的に視野角を制限する仕組みを備えており、従来の「のぞき見防止フィルム」に相当する機能をディスプレイそのものに内蔵している点が特徴だ。
例えば、銀行アプリや個人情報を含む画面を開いた際には、AIが即座に動作して表示角度を狭め、横からの覗き見を防ぐ。従来のフィルム型では避けられなかった輝度の低下や色再現の歪みといった問題を引き起こさず、表示品質を維持しながらセキュリティを強化できる点が、この技術の大きな優位性とされている。
このプライバシーディスプレイは、Galaxy S26 Ultraにおける主要な差別化機能の一つとなる見込みであり、今後はサムスンの次世代製品群へと段階的に拡大導入される計画だ。
さらに、来年のGalaxy Sシリーズ全体ではブランド再編も予定されている。エントリーモデルは「Galaxy S26 Pro」、ミドルレンジは「Galaxy S26 Air」として投入され、最上位機種のみが「Ultra」ブランドを維持する方針とみられる。
SamMobileは「サムスンがAIとディスプレイ技術を融合させ、プライバシーとユーザー体験を同時に高める戦略を実現できれば、Galaxy S26 UltraはAndroidフラッグシップ市場において明確な競争優位を確立できるだろう」と分析している。