【2025年8月8日 CINNO Research】
韓国メディアの報道によると、Appleは2026年に発売予定の新型MacBook Proで、ついにディスプレイをMini LEDからOLEDへとアップグレードする見込みです。これまでAppleは、サムスンやLGなど複数のディスプレイメーカーと協力し、各種製品向けに多数のパネルを調達してきましたが、最新の報道では、この新型MacBook Proのパネル供給を担うのはサムスン1社に限られるとのことです。さらに、iPhoneと同様に、ノッチ(切り欠き)を廃止し、「Dynamic Island」と呼ばれる薬丸型のパンチホールデザインを採用する可能性が高いとされています。
韓国メディア「Dealsite」によれば、具体的な投資額は明らかにされていないものの、サムスンが独占供給元となった背景には、同社が継続的に第8.6世代生産ラインへ投資してきたことがあります。Appleは新製品に酸化物TFT(薄膜トランジスタ)技術を必要としており、サムスンはこれを提供する計画で、ガラス基板を用いた月産1万5,000枚の量産を見込んでいます。
酸化物TFTの利点は消費電力が低く、OLED版MacBook Proでも高輝度時に優れた省電力性を維持できる点です。サムスンの現行生産能力では年間約1,000万枚のパネル生産が可能ですが、業界予測ではOLED版MacBook Proの年間出荷台数は約500万台と見込まれています。新モデルでは引き続き「ProMotion」が搭載される見込みで、10Hz〜120Hzの可変リフレッシュレートを持つLTPOパネルを採用し、バッテリー消費を抑えるとみられます。
さらに注目すべきは、AppleがOLED版MacBook Proでついにノッチを廃止し、「Dynamic Island」方式へ移行するという点です。サムスンは当面、Appleの独占サプライヤーとなりますが、この優位は長く続かない可能性があります。報道によれば、LGも第8.6世代OLED生産ラインの構築を進めており、将来的には中国のBOEも第3の供給元になる可能性があるとのことです。