文涛 2025-09-15
9月15日、吉林OLEDと京東方(BOE)は北京で正式に戦略協力枠組み協定を締結し、戦略的パートナーシップを構築した。両社はOLED分野における産業チェーンの連携を強化し、互いの強みを補完しながら深い協力を進めることで、発展の機会を共に創出していくことを目指している。
四つの重点分野での協力強化
協定によれば、両社は「平等・長期安定・資源共有・市場化」という協力原則に基づき、以下の四つの核心分野に注力して深化協力を進める。
まず第一に、蒸発源供給の安定確保である。吉林OLEDは京東方にOLED用線形蒸発源設備を提供し、納品および検収を保証する。一方、京東方は吉林OLEDを主要サプライヤーに位置づけ、生産ラインの安定運営を共同で維持する。
第二に、競争優位性の強化。両社はOLED線形蒸発源やペロブスカイト蒸着などの重要設備分野で技術革新と更新を推進し、産業チェーンの安全確保に努める。
材料分野での協業と国産化推進
第三に、OLED材料分野での協力強化である。吉林OLEDは京東方に対し、OLED発光材料、PSPI材料、TFEインクなどの開発・検証・試験・導入サービスを提供し、京東方が進める材料国産化の戦略を後押しする。これにより、国産化の加速とOLED材料の総合競争力向上を実現する狙いだ。京東方およびそのグループ会社は、技術・コスト・品質・取引条件が満たされることを前提に、吉林OLEDをOLED材料サプライヤーの一つとして採用し、材料性能の進化を共同で推進する。
産業情報共有とイノベーション推進
第四に、協力の裾野拡大である。両社は産業やビジネスに関する情報を共有し、業界動向や技術開発ニーズを軸に協調的なイノベーションを展開しながら、新たな協力機会を模索し、産業の進歩を後押しする。吉林OLEDは「今回の京東方との戦略協力は、OLED産業チェーンの上下流リーダー企業による深い連携であり、両社の技術と資源の優位性を生かして産業チェーン資源をさらに統合し、重要な材料・設備の国産化を加速する。これにより中国の新型ディスプレイ産業の自主的発展に強力な推進力を注入できる」とコメントしている。
こうした包括的な連携により、吉林OLEDと京東方は中国国内でのOLED産業の高度化と安定供給を実現し、世界市場での競争力強化を目指している。