大手IT企業が次世代ウェアラブルプラットフォーム主導権競争に本格参入


2025年10月16日 UBIリサーチ

 

グローバルビッグテック企業が次世代ウェアラブルデバイス市場で全面的な競争構図を形成している。サムスン電子が「プロジェクト無限(Project Moohan)」ギャラクシーXRヘッドセットを今月中に公開する予定である。サムスンのギャラクシーXRは、グーグルアンドロイドXRプラットフォームをベースにした高性能ヘッドセットで、4KマイクロOLEDディスプレイ(4,032 PPI、2900万画素)とクアルコムスナップドラゴンXR2+ Gen 2プロセッサーを搭載した。545gの軽量化されたデザインと一緒にハンドトラッキング、アイトラッキング、音声認識を統合したマルチモーダルインターフェースを提供する。

 

特に、Apple Vision Pro(2300万画素)よりも高い解像度とメタクエスト3に比べて優れたディスプレイ品質を前面に押し出し、プレミアム市場攻略に乗り出す。バッテリー持続時間は一般使用2時間、動画再生2.5時間で競合製品と似たようなレベルであり、価格は1,800ドル(約250万ウォン)水準で予想される。

 

サムスンはグーグルとのパートナーシップを通じてワンUI XRインターフェースを構築し、クロム、ユーチューブ、ネットフリックスなどの主要アプリ生態系を確保した。初期生産量は10万台規模で市場の反応をテストした後、本格的な量産体制に突入する計画だ。

 

Google・Apple・MetaのXRプラットフォーム競争(soraで作成)
Google・Apple・MetaのXRプラットフォーム競争(soraで作成)

 

アップルは廉価型「N100(ビジョンエア)」ヘッドセットの開発を暫定中断し、関連人材をAIスマートメガネプロジェクトに全面再配置した。 これはメタの「レイバンメタ」の成功とAI基盤のスマートメガネ市場の急成長に対応した戦略的判断と分析される。

 

アップルが開発中のスマートメガネは2つのモデルに分けられる。コード名「N50」の第1世代モデルは、ディスプレイなしでiPhone連動で動作するオーディオ中心のAIウェアラブルで、2027年の発売を目指す。第2世代モデルはディスプレイを搭載し、メタレイバンと直接競争し、当初の2028年の計画を前倒しして開発を加速している。

 

アップルのスマートグラスは「ビジョンOS」を基盤とし、カメラ、マイク、健康追跡機能とともに、次世代シリ(Siri)AIを通じた音声コマンドインターフェースを中核とする。様々なフレームオプションと色を提供し、ファッションアクセサリーとしてのポジショニングも強化する予定だ。

 

現在、スマートメガネ市場はメタが圧倒的にリードしている。メタ-レイバンシリーズは累積350万台以上販売され、AIスマートメガネのシェア80%水準に達している。最近発表した「レイバンディスプレイ」モデルは、フルカラーの高解像度ディスプレイを搭載し、メッセージ、写真、各種情報表示が可能だ。

 

これに対し、グーグルは「アンドロイドXR」プラットフォームと「ジェミニ(Gemini)」AIを前面に出し、サムスンとの協力を強化している。サムスンは来年初め、グーグル、ジェントルモンスターと協業した’プロジェクトコースト’スマート眼鏡も発売する予定で、ヘッドセットとスマート眼鏡のツートラック戦略を展開する。

 

今後、XR/スマートメガネ市場は、アンドロイドXRプラットフォームとアップルのビジョンOS XRプラットフォーム及びメタの先発ランナー優位性が対決する三つ巴戦の様相で展開される見通しだ。各企業の生態系構築能力とユーザー体験の差別化が市場主導権を分ける重要な変数になると予想される。