車載OLEDの今年の出荷台数は300万枚に達し、市場シェアは8%超に


2025年8月4日 WitDisplay

 

サムスンディスプレイやLGディスプレイが高級車市場を狙って車載OLED事業を積極拡大中

サムスンディスプレイおよびLGディスプレイは、車載OLED分野の事業拡大を積極的に進めており、高級車市場を主なターゲットとしている。そのため、車載ディスプレイ市場におけるOLEDのシェアは今後も着実に拡大していく見通しだ。

 

ディスプレイ市場調査会社UBI Researchが8月3日に発表した最新の調査報告によると、OLEDの車載ディスプレイ市場におけるシェアは、2025年の8.3%から2030年には14.4%にまで成長する見込みである。

 

現在のところ、車載ディスプレイ市場ではLCDが依然として主流だが、自動車業界におけるデジタル化の加速に伴い、OLEDはLCDを上回る優れた画質や柔軟な形状対応能力を武器に注目を集めている。特に高級車市場での需要が高まっている。

 

韓国の主要パネルメーカーであるサムスンディスプレイやLGディスプレイも、こうした流れを受けて車載用OLEDの開発に積極的に取り組んでいる。

 

 

サムスンディスプレイがメルセデス・マイバッハSクラスなどに48インチPillar-to-PillarOLEDを提供予定

UBI Researchは、「サムスンディスプレイは、2028年モデルのメルセデス・マイバッハSクラスをはじめ、今後のCLA、SL、電気自動車(EV)シリーズ向けに、48インチのPillar-to-Pillar型OLEDディスプレイの供給を計画している」と明らかにした。

 

報告書では、「このディスプレイは車両前方全体を覆う一体型の大型ディスプレイで、没入感ある洗練されたデザインが注目を集めている」としている。

 

LGディスプレイは、2019年に世界で初めて車載用P(プラスチック)OLEDディスプレイの量産に成功。現在では、メルセデス・ベンツを含む複数のブランドにOLEDパネルを供給している。

 

同社は、車載ディスプレイ部門におけるOLEDの売上比率を、2023年の25%から2028年には40%、2030年には50%に引き上げることを目指している。

 

UBI Researchの韓昌旭(ハン・チャンウク)副社長は、「2025年の車載OLED出荷量は約300万台に達し、2030年には600万台を超える見通しで、市場全体におけるシェアは14.4%に達する」と予測。「これは、車載ディスプレイが単なる情報表示を超え、感情的・没入的なユーザー体験(UX)を提供する方向へ進化していることを示している」と述べた。