Appleがカギを握る、折りたたみOLEDパネルは2032年に全OLEDでのシェア8.6%へ


SemiDisplayView 2025-08-20

 

8月20日の報道によると、調査会社Omdiaの最新データでは、2032年までに世界の折りたたみOLEDディスプレイ出荷台数が1億2460万台に達し、全OLED市場の8.6%を占めると予測されています。これは、2024年の2310万台、2025年の予測2350万台と比べても大幅な拡大です。

 

出荷予測の推移

Omdiaによれば、今後数年にわたり新モデルの投入が相次ぎ、市場拡大が続く見込みです。2025年の成長は限定的と見られるものの、その後の爆発的な拡大に向けた基盤を築くとしています。2024年から2032年の8年間で、折りたたみスマートフォンの出荷量は5倍以上に増加すると予想されます。

 

 

競合メーカーの取り組み

サムスン、グーグル、vivoなど主要メーカーは製品を進化させ続けており、本体の厚み、ヒンジ構造、バッテリー持続時間といった課題の改善が進んでいます。ただし、依然として高価格や使用習慣の壁が普及のネックとなっています。例として、サムスンの「Galaxy Fold 7」はヒンジやバッテリーで高評価を得ていますが、市場での受け入れ拡大には時間がかかるとみられています。

 

Appleがもたらすインパクト

業界では、「Appleが折りたたみスマホを投入すれば業界構造が一変する」と広く考えられています。Appleは従来から製品の完成度を重視しており、現在は画面の折り目、ヒンジ耐久性、バッテリー寿命といった技術的課題の克服に取り組んでいると伝えられています。

Omdiaの専門家Jerry Kang氏は、「Appleの参入は折りたたみディスプレイの正統性を確立し、Android陣営を超える新たな需要の爆発を引き起こすだろう」とコメントしています。

 

今後の展望

Omdiaは、2026年が折りたたみ端末市場の転換点になると予測しています。技術進歩と参入メーカーの増加により、折りたたみスマートフォンはニッチな存在から主流へ移行する可能性が高いとのことです。Appleの参入はイノベーションを加速させるだけでなく、価格体系の見直しを促し、より多くの消費者が新形態デバイスを試すきっかけになると期待されています。