BOE、重慶LTPO技術改造プロジェクトが50%進捗 ― 高付加価値のフレキシブル有機EL生産を強化


2025年9月24日 文涛

 

プロジェクト進捗率50%、製造装置の調達・設置が進行中

重慶京东方(BOE)顯示技術有限公司が進めるLTPO技術改造プロジェクトは、総工程量の50%を完了し、現在製造装置の調達および設置が進行中である。プロジェクトの完成後には年間26億元(約560億円相当)の新たな生産価値が見込まれている。

 

B12工場の概要とフレキシブルディスプレイ生産能力

資料によると、重慶京东方顯示はBOEのB12工場を主に運営しており、同工場にはG6 AMOLED生産ラインがある。総投資額は465億元で、設計上の総生産能力は毎月4.8万枚のガラス基板(1500mm×1850mm)。製品はスマートフォン、車載、折りたたみ式ノートPCなどのフレキシブルディスプレイ製品に活用されている。

 

 

既存工場を活用したLTPO技術改造と重点プロジェクト認定

重慶京东方顯示技術有限公司のLTPO技術改造プロジェクトは、重慶市両江新区管理委員会が主導し、既存の52万平方メートルの工場施設を活用して実施されている。製造装置を導入し、既存のフレキシブルパネルLTPO生産ラインを技術改造する計画であり、2025年には市級重点開工プロジェクトに選定されている。

 

BOE独自のLTPO技術の特徴と高性能化

BOEが開発したLTPOは、高級フレキシブル有機ELディスプレイ技術で、LTPS(高移動度)とOxide(低消費電力)の両方の利点を融合。これにより動的リフレッシュレートの自動調整や超低消費電力を実現している。1〜120Hzの自動適応リフレッシュレートに対応し、静止画では最低1Hz、ゲームや動画では最高120Hzをサポート。さらに2160Hzの高周波PWM調光によって全シーンで目の負担軽減を図ることができる。

 

1500PPI以上の超高画素密度と4500nitのピーク輝度により、VR機器や2Kディスプレーの需要に応える一方、従来の画面と比べ約20%の消費電力削減が可能となっている。