2025年8月12日 UBIリサーチ
中国・上海で開かれたDIC EXPO 2025において、中国を代表するAMOLED専門企業であるEverDisplay Optronics(EDO)が大規模なブースを設け、自社のOLED製品ポートフォリオを大々的に披露した。EDOは海外の主要ディスプレイ展示会に参加することが比較的少ない企業だが、今回のDIC EXPOでは最新の製品と技術力を前面に打ち出し、市場拡大の強い決意を示した。
2012年に設立されたEDOは、中国において比較的早い段階でAMOLEDの量産に成功したリーディングカンパニーの一つである。現在、rigid とflexible OLEDの両方を生産しており、最近では折り畳み式OLED、車載用OLEDなど、高付加価値市場への進出を広げている。特に、中・大型AMOLED(タブレット・ノートパソコンなど)分野において中国国内で首位を占め、タブレットとノートパソコンのディスプレイ市場で圧倒的な存在感を示している。
2024年、EDOのOLEDパネル出荷量は4,260万枚、売上高は4億6,230万ドルを記録し、中国OLEDパネルメーカーの中で5位にランクインした。この成果の要因は、戦略的なパートナーシップにあり、HONORやHuaweiなどの主要顧客へのタブレットパネル供給や、グローバルPCブランドであるAcerに14インチ2.8Kおよび1.9K OLEDパネルを提供するなどが挙げられる。
EDOは上海にG4.5世代とG6世代の両方のラインを保有している。G4.5ラインは主にウェアラブルとスマートフォン用のパネルを生産し、G6ラインはタブレット、ノートパソコン、自動車、モニター、航空機向けの大型パネルを生産している。月間生産能力は30K基板に達する。航空分野では、Panasonicを通じて15.6インチ、21.6インチ、27インチのAMOLEDパネルをグローバル航空会社に供給しており、車載用OLEDは吉利自動車(Geely)などに対し13インチおよび15.1インチのTandem OLEDを供給している。
今回の展示では、Hybrid OLEDとTandem OLED技術を適用したタブレット製品が来場者の注目を集めた。EDOは2024年に中国で初めてHybrid OLEDとTandem OLEDを適用したタブレットを量産した経緯があり、27インチ4K AMOLEDモニターパネルの量産にも成功した。低消費電力を実現するためのLTPO TFT技術も時計、タブレットに幅広く適用し、エネルギー効率を高めている。
EDOの関係者は、「DIC EXPOは中国内のディスプレイ産業の革新を共有する重要な場であり、当社の技術力と製品力を集中的に知らせる機会」とし、「今後、中・大型OLED市場だけでなく、車両、航空、産業用ディスプレイ分野でもグローバル市場シェアを拡大していく」と述べた。
今回の展示を通じ、EDOは単純なパネルメーカーを超え、多様な応用分野で競争力を備えた総合OLEDソリューションサプライヤーとしての地位を改めて確認した。中国国内で培ってきた強固な顧客ネットワークと蓄積された量産経験を基に、今後のグローバル市場での行方が注目される。