iPhone 17シリーズのOLEDパネルはサムスンとLGが分け合う


2025年7月7日 SemiDisplayView

 

業界関係者が7月3日に明らかにしたところによると、AppleはiPhone 17シリーズ向けに合計1億2千万枚のOLEDパネルを発注した。これは前世代のiPhone 16シリーズの1億3千万枚超と比べ、約10%の減少となる。

 

Appleは、米国政府が対中関税の引き上げを発表することでiPhoneの販売が落ち込む可能性を懸念し、今年のパネル生産数を保守的に調整したとみられる。もし関税が実施されれば、iPhoneの価格は前世代に比べて20%以上上昇する可能性がある。ブルームバーグなどのメディアは、iPhoneのハイエンドモデルの価格が最大3,500ドルに達する可能性を予測している。

 

このため、iPhoneの需要減少により、サムスンディスプレイとLGディスプレイが受注するパネルの数量は前世代と同等かそれ以下となる可能性が高い。業界では、iPhone 17シリーズのOLEDパネル供給数について、サムスンが約7,000万枚、LGが約4,000万枚と予測している。昨年と比べ、サムスンのシェアはやや減少、LGはやや増加している。

 

iPhone 16シリーズのサプライチェーンにおいて、サムスンは約50%、LGは約30%、BOE(京東方)は約10%を占めていた。LGとサムスンの両社が、BOEが担当していた1,500万枚以上のOLEDパネル供給分を担うという予測もあったが、それほどにはならなかった。

 

iPhone 17シリーズでは前世代よりも高解像度のOLEDパネルが求められており、BOEはその要求を満たせずサプライチェーンから外された。特に、新モデルの「iPhone Air」は、従来よりも大幅に薄型化されており、超薄型OLEDパネルが必要とされる。

 

最終的に、サムスンとLGの下半期の業績は、今月中に発表される米中貿易交渉の結果に左右される見通しである。もし中国への関税が引き下げられれば、両社が追加でパネルを受注する可能性がある。

 

MacBookではBOEがシェア1位に浮上、LGDを初めて上回る見込み

韓国メディアが7月7日に伝えたところによると、2025年にはAppleのMacBook向けディスプレイ供給体制に大きな変化が生じる。

 

調査会社Omdiaの最新レポートによれば、BOEが初めてLG Displayを上回り、MacBookディスプレイ最大の供給業者となり、50%以上のシェアを占める見通しだ。

 

Appleが毎年ディスプレイメーカーから調達するノートパソコン用パネルの比率(単位:パーセンテージ) 出典:Omdia
Appleが毎年ディスプレイメーカーから調達するノートパソコン用パネルの比率(単位:パーセンテージ) 出典:Omdia

 

BOEは2025年に約1,150万枚のノートパソコン用パネルをAppleに供給する予定で、市場シェアは51%に達し、前年より12ポイント増加すると見られている。特に、主力機種であるMacBook Airの13.6インチおよび15.3インチパネルで、BOEの供給比率が拡大している。

 

一方で、LG Displayのシェアは低下傾向にある。長年にわたりAppleの主要供給業者だったが、2025年には35%に落ち込む見込みで、2024年から9ポイント減、供給量は12.2%減の848万枚になると推定されている。これは、AppleがMacBook Airのパネル発注をLGからBOEへとシフトしたことによる。

 

シャープは依然としてMacBook Proの14.2インチおよび16.2インチパネル供給を担当しているが、このシリーズの需要が減少しているため、2025年の供給量は前年比20.8%減の310万枚に減少する見込みで、シェアは約14%になると予測されている。

 

Omdiaは、Appleが2025年に調達するMacBook用パネルの総数は約2,250万枚と見込み、前年比1%の微増とした。これは、2024年末から始まった米中間の貿易関税不確実性により、AppleがOEM生産拠点を中国からベトナムに移転し、主要モデルであるMacBook Airの在庫を事前に確保した影響が2024年第4四半期から2025年第1四半期にかけて続くと見られているためである。

 

将来的にはOLEDへの移行と競争激化が予想される

2025年第2四半期以降、ほとんどのパネル供給業者は保守的な出荷見通しとなると予想されるが、BOEはMacBook Airの需要継続により例外になる可能性がある。

 

業界関係者は、「BOEのシェア拡大は、単なる価格競争力だけでなく、生産品質と大規模納品能力が評価された結果でもある」と指摘している。

 

注目すべきは、AppleがMacBook製品ラインで高解像度・酸化物TFT・MiniLEDバックライト・低消費電力設計といった先進的LCD技術を長年採用してきたが、今後数年間で段階的にOLEDへと移行する計画である点である。Omdiaは、Appleが2026年からMacBookに本格的にOLEDを導入するだろうと予測している。

 

OLEDは、より薄く軽量で、画像品質も優れるため、今後のMacBookにおける主要ディスプレイ技術となる可能性が高い。特に、サムスンディスプレイは2026年からMacBookのサプライチェーンに加わる予定であり、LCD中心だった現状の構図がOLED中心の新たな競争環境に移行すると見られる。

 

業界では、OLED移行後の市場において、サムスン・LG・BOEの三者による技術競争がますます激化すると予想されている。