JBD、マイクロLED超小型ディスプレイ分野で過去最大の資金調達 ― 10億元を超えるB2ラウンドを完了


2025年10月27日 — 出典:行家说Display

 

世界最高額のMicro LED資金調達、JBDがAR時代の中心へ

Micro LEDディスプレイ分野のリーダー企業であるJBD(Jade Bird Display)は、B2ラウンドの資金調達を完了し、その規模が10億元(約230億円)を超えたと発表した。これは世界のMicro LED微小型ディスプレイ分野における単一調達額として史上最高額である。

 

このラウンドは混沌投資と中信金石がリードし、中信証券国際資本、中信証券投資、光速光合、銀柏投資、智微資本、金浦投資、浦耀信晔、広発乾和、広発信徳、浙江宥金、派諾資本などが共同で出資した。

 

調達した資金は、JBDのMicro LED微小型ディスプレイ分野における技術革新と製品のアップデートを加速させるとともに、消費者向けARエコシステムの共創を推進し、技術優位と商業化の段階から世界市場における大規模産業化体制の構築へと進化させることを目的としている。

 

JBDは今年8月にも数億元規模のB1ラウンド資金調達を完了しており、2018年以降、連続して複数回の調達を行っている。このハイペースな資金調達は、資本市場がJBDの技術力・量産能力・長期的な成長ポテンシャルを高く評価していることの表れである。

 

現在、JBDのMicro LED製品は世界で約50種類のスマートグラスに採用されており、AIとARの統合が加速する中で、消費者向けAR眼鏡市場は急速に拡大している。Micro LEDは軽量化と全天候型AR体験を実現する中核技術として、スマートグラスの大衆化を推進するエンジン的存在になりつつある。

 

投資家が評価するJBDの優位性と技術成果

主導投資家である混沌投資は、「AR眼鏡はAIのエッジ化進展における重要なハードウェアであり、JBDは顧客連携・製品開発・量産体制のすべてで堅固な優位性を築き上げている」と述べた。さらに、同社は「JBDは高い実行力と業界に対する洞察力を持つ」と評価している。

 

また、中信金石、中信証券国際資本、中信証券投資の3社は共同声明で、「AR眼鏡はAI時代の主要なインタラクション端末となり、Micro LEDはその基盤を支える不可欠な“ハードテクノロジー”である。JBDはMicro LED微小型ディスプレイの量産を実現し、トップレベルの顧客から検証を得た世界でも数少ない企業であり、今回の投資は中信グループが進める先端技術分野の戦略に合致する」とコメントした。

 

JBDの創業者兼CEOである李起鳴(Li Qiming)氏は、「私たちはAI+ARによる人機インタラクション革命の新しい出発点に立っています。10年間の技術蓄積を経て、JBDはこの変革を主導する自信と能力を持っています」と語った。

 

世界最小の量産カラーディスプレイ「Hummingbird II」登場

JBDは2025年9月、世界最小の量産型カラー光エンジン「Hummingbird II」を発表した。この光エンジンは体積わずか0.2立方センチメートル、重量0.5グラムという超小型設計で、従来の光学モジュールが抱えていたAR眼鏡デザイン上の制約を打破し、画質と消費電力の両面で大幅な進化を実現した。

 

さらに、同社はピクセルピッチ2.5マイクロメートルの「走鵑(ロードランナー)」Micro LED技術プラットフォームを発表。この新技術は超小型ディスプレイでの発光効率低下という業界共通の課題を克服しながら、より高いピクセル密度と広視野角、小型光エンジンの実現に向けた基盤を築いた。

 

今後の展望

JBDは「技術革新が産業発展を牽引する」という理念のもと、世界のAR近眼ディスプレイ分野での技術的リーダーシップをさらに強化し、Micro LEDの応用を新たな産業・市場分野へ拡大していく方針を示している。